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老舗ロックカフェ「アルカディア」マスターが新刊 開店40周年で

開店40周年を記念し本をまとめた高木さん

開店40周年を記念し本をまとめた高木さん

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 西八王子の老舗ロックカフェ「arcadia(アルカディア)」(八王子市千人町3)のマスター・高木純さんによる書籍「ロックカフェという生き方 『アルカディア』の40年」が5月1日、発売された。

アルカディアのカウンターにはレコードコレクションが並ぶ

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 フリーペーパー「はちとぴ」などを発行している清水工房(追分町)の出版事業部門「揺籃(ようらん)社」から刊行された同書。同店は1978(昭和53)年、八王子市千人町で開店。2008年には旧織物工場を改装した現在の店舗に移転した。

 「ロックカフェ」をうたい数千枚のレコードと音響機器を取りそろえるほか数多くのミュージシャンがライブを開催。カフェレストランとロックバーのそれぞれ役割を持つ。昨年、開店40周年を迎えたことを受け、高木さんが店を通じて感じたことや思いなどをまとめようと出版を計画。資金はクラウドファンディングで集め、目標の100万円を超える支援が集まったという。

 高木さんの自分史や開店から現在に至る店の話題だけでなく、ロックに関わるカルチャーなども紹介。ロックバンド「はちみつぱい」のベーシストで、高円寺にロック喫茶「ムーヴィン」を立ち上げたことでも知られる和田博巳さんとの対談や店のレコードコレクションの中から高木さん自らが選んだ100選を紹介するコーナーなど、さまざまな内容をまとめた。

 当初、出版については「考えてもいなかったが、『本を作りましょうよ』と提案してくれた人がいて面白いと思った。40年、それなりにいろいろと考えてやってきた」と高木さん。クラウドファンディングには店の常連やこれまで店で働いてきた人の友人などさまざまな人が協力。「お金を持って店に来てくれた人もいた」とも。

 原稿は1年半ほど前から少しずつ書きためてきたという。「5章仕立てというのは早い段階から決まっていた」。中でも、レコード100選については「どんどん出てきてしまって、100で収まらなかった。落とすのが大変で、絞り込んで120くらいになった」と高木さん。「メジャーなものばかりに注目が集まってしまうと多様性が出ない」とビートルズなどの著名作品はあえて紹介しなかったが、「クイーンは映画がはやったので急きょ入れた」と笑う。

 本が完成し「感動した」と高木さん。「昔は親に内緒で聴くのがロック。それは親からの自立も意味していて、店はメディアだった。どこまで伝えられたかは分からないが、70年代初頭のロックの自由な雰囲気と自由な場所でいろいろなことが起きて、仲間ができ連帯していったところを感じてもらえれば」と話す。

 A5版、184ページ。価格は2,000円(税別)。

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