峠の小さな美術館(八王子市長沼)で5月14日から、八王子在住のイラストレーター・小楠アキコさんの個展「小楠アキコの世界展」が行われる。
同館は2006年、地域の絵画愛好家による「峠の会」のメンバーが割烹料理店「鎌田鳥山」の協力を得て、敷地内に開設したもの。主に同会のメンバーによる個展などを開いている。
小楠さんは大学時代にアメリカの文化や文学を専攻。その際、サイケデリックなポスターアートで知られるウェス・ウィルソンなど、1960年代から70年代にかけて駆けめぐったヒッピー・ムーブメントに魅了された。1969年に開かれた伝説のロックイベント「ウッドストック」のような世界を体験しようとイベント関連会社に入社したものの、「サイケデリックなアートポスターを作りたい」と東京デザイン専門学校のイラストレーション科に入学。卒業後も活動を続け、個展などを開催する傍ら、これまでに二科展受賞、学際デザイン大賞など数多くの賞も受賞している。
アクリル絵の具で描き出された世界はポップ。小楠さんは「今までの体験が私の絵に描かれている。一見外国っぽいが、日本人のわたしたちに、世界の人たちにとって大事なことを表現している」と自身の作品を語る。
会場は割烹料理店の敷地内。「美術館は和風のたたずまいで、私の絵は原色、海外色の強い作品。ミスマッチのように見えるかもしれない。絵を通して私の世界と皆様の世界の共通点を見つけていただければ」と小楠さん。「美術館が異色といえども面白い展示になる」とも。作品の販売も今回初めて行うという。
開館時間は10時~16時。6月1日まで。