八王子市内を通る甲州街道(国道20号)「本郷横丁東」交差点近くの銭湯「松の湯」(八王子市小門町)が9月6日、改装工事を終えリニューアルオープンした。
1954(昭和29)年創業の同店。八王子に3つある銭湯のうちの1つで、2016(平成28)年10月には、店舗横の掲示板に「閉店のお知らせ」と書かれた貼り紙を掲出。有志が存続に向け2000人を超える投書を集め、その後、営業継続が決まるなど話題を集めた。これまで建築当初の建物で営業を続けていたこともあり、設備の充実などを目的に全面改築の計画を立てていたが、方針を転換し今年5月から改装工事を進めていた。
風呂については全面的にリニューアルを図り、高濃度炭酸泉を新たに導入したほか、ジェット風呂や座風呂、水風呂、サウナを設置。露天風呂については薬草を使った薬湯が楽しめるようにした。これまで女性向けの休憩スペースだった2階についても、新たに約2000冊の漫画を用意したほか、マッサージ師が常駐するなど、くつろげる空間にした。定休はこれまで月曜としていたが、「月曜が祝日になったとき、店がやっているかどうかの問い合わせがとても多かった」ことから火曜に変更した。
閉店の発表を皮切りに、客による署名活動を受けての閉店延期、営業継続の決定、建て替えの発表、大幅改装と、この3年の間でさまざまな波を乗り越えてきた松の湯。リニューアルに合わせ、店主の座を長男に引き継いだという小嶋誠さんは「(オープンまで)まだかまだかと問い合わせが多かった」と話し、今月5日に行った地元住民向けのお披露目会の場では、「多くの方に来ていただいて、すごく盛り上がった」と振り返る。「ぜひ来ていただき利用していただければ」とアピールする。
営業時間は14時~23時30分。