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店の壁使い「おもひで写真街道」 八王子の商店会が企画、江戸から現在振り返る冊子も

冊子の編さん・装丁を手掛けた戸田さん(中央)と春日さん(左)、フラチナリズムのタケウチさん

冊子の編さん・装丁を手掛けた戸田さん(中央)と春日さん(左)、フラチナリズムのタケウチさん

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 八王子市内を通る甲州街道(国道20号)沿いの商店街「八幡上町商店街くらま会」で現在、昔の八王子の街並みを撮った写真を展示する「おもひで写真街道」が開かれている。

参加店の店内でも写真を飾る

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 10月1日から始まった同企画。店の壁や空き店舗のシャッターなどに昔の八王子の姿を撮った作品を展示するもので、今回は約40点の作品を展示。2016(平成28)年から秋の到来に合わせて行っており、今年で4回目を迎える。

 プロジェクトに携わる写真店「桃屋美術」(八王子市八幡町)の春日晃さんは「毎年好評で、1カ月あるが長い間皆さんに見ていただけている。楽しみにされているお客さまが多いので、今年もやろうということになった」と話す。今回は初めて参加店の店内でも写真を飾るようにするなど工夫したという。

 展示と合わせて、88ページにもなるA5サイズの冊子「八王子 江戸と昭和と令和」を2000部製作し来店客などに配布している。江戸時代、八王子がどのような街であったかを紹介するところから時系列で歴史を追う形に編集されており、近代のページでは同会会長を務めながら、「ご当地ユーチューバー」としても活動している洋品店「イツミヤ」(八幡町)の中野智行さんを紹介するなど地元オリジナルの冊子となっている。

 過去の催しでは展示している作品を掲載した写真集を配布するなどしてきたが、「ただの写真集から読み物として面白いものにしようとシフトした」と、冊子の編さんや装丁などを手掛けたプロダクトデザイナーの戸田光祐さん。「せっかくなら江戸の辺りから掘ってみて、土地全体の歴史を俯瞰(ふかん)できるような一冊にまとめたほうが読み手としても面白いんじゃないかと思った。持って帰りたくなる冊子を作りたかった」と話す。

 冊子の製作には、今月27日に町内の八王子中央診療所(八幡町)の駐車場を使って行う催し「神々の八幡神楽」の開催も影響しているという。同イベントは祭りにおける舞踊のアップデートをコンセプトに、地元出身の舞踊家・Natsumi Suzukiさんが考案し、八幡上町商店街くらま会公認の奉納舞「打ダンス」などを披露。バンド「フラチナリズム」のタケウチカズヒロさんもベーシストでパフォーマンスに参加するなど盛り上げるという。

 「スタンプラリーなど毎年イベントが変わってしまうと蓄積していくものがない。土地に残るようなものを毎年同じように開催していったほうが最終的に地域の文化になるのではないかというところから祭りを開くことにした。祭りも最初はファインアートだったはず。革新的なことをすることによって逆に伝統が生まれるのでは」と戸田さん。今回の冊子はこの祭りを盛り上げる位置付けも担っており、「新しいものを残すためには伝統を重んじることが大事。ゼロから1を生み出すに当たって、新しいものをつくってもいいという雰囲気づくりがしたかった」とも。

 「今までの祭りは一部の人のもので、参加していない人にとってはあまり面白くないものだったかもしれない。そこを変えたいという商店街の思いがある」と春日さん。「楽器だけでなく手拍子などでも参加できる。何が起こるか分からないが新しい伝統を作っていければ」と意気込む。

 「神々の八幡神楽」の開催時間は、昼の部=14時~、夜の部=17時30分~。「おもひで写真街道」は今月31日まで。

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