八王子市が8月25日、最新のハザードマップなどを掲載し、9月から配布を始める「八王子市総合防災ガイドブック」第2版を市ホームページ上で先行公開した。
ホームページで先行公開された「八王子市総合防災ガイドブック」の第2版
2019(平成31)年春に第1版として30万5000部を発行、市内全戸に配布した同冊子。地域特性を踏まえ、洪水や土砂災害といった風水害への備えに重点を置き、市内全域の土砂災害ハザードマップと洪水ハザードマップ双方の情報を地図としてまとめたものも掲載。地震や火山噴火、大雪、弾道ミサイル落下など、さまざまなものに対する防災情報も掲載し、八王子の防災に関する総合的なガイドブックとして位置付けられている。
今回は都が1月に発表した浅川の浸水予想区域図の改定や、昨年10月に東海・関東・東北地方などを通過し、市内でも家屋被害や土砂災害などをもたらした台風19号(令和元年東日本台風)への対応などを踏まえて、改訂版を制作した。感染症対策についても言及。まめな手洗い・手指消毒や咳エチケットの徹底、こまめな換気などを呼び掛けるコーナーも設けた。
市では都が発行した冊子「東京防災」「東京くらし防災」と併せて活用することで、「より深い防災対策が学べるようになっている」と説明する。
改訂したハザードマップでは、浅川のすぐ近くにある市役所も浸水予想区域に含めた。市防災課の菅野英之課長は「避難は安全を確保していただくためのもので、避難所に行くことだけが避難行動ではない。家の2階に上がるのも避難」と話し、今回のガイドブックには「新たに風水害の際の避難行動判定フローを入れた」と紹介する。「今はコロナも切っても切り離せないものなので、新たに感染症対策の項目を設け、視覚に訴えるよう分かりやすく作った。オンライン上のデータについては、少しでも早くと思い、冊子の配布前に公開させていただいた」とも。
ホームページでは、ページごとにPDFファイルでダウンロード配布する。冊子は、9月1日からスマートフォン向けアプリ「カタログポケット」を通じて、日本語を含めた10カ国語に翻訳して読めるようにするという。