![製作する「すもうロボット」](https://images.keizai.biz/hachioji_keizai/headline/1605691087_photo.jpg)
八王子市内の小学生を対象とした「ロボット教室2020 in サレジオ」が11月28日、オンライン会議システム「Zoom」上で開催される。
サレジオ工業高等専門学校(町田市)の機械電子工学科学科プロジェクトが主催する今回の催し。大学コンソーシアム八王子(八王子市旭町)による「学生企画事業補助金」を利用した事業で、木材に左右にそれぞれモーターを取り付け、コントローラーで操作する「すもうロボット」を子どもたちに作ってもらう。
例年、同校の文化祭などの場で教室を開いてきたが、今回初めてオンラインを活用。参加する各家庭では、届いた材料を使って、動画を見ながらロボットを製作。28日はZoomを使って、製作に関する質問ができるという。
プロジェクトに携わる生産システム工学専攻1年の継田夏海さんは「近年、『Pepper』などの人型ロボットや、ルンバなどの掃除ロボットなど、ロボットが身近になりつつある。ただ、ロボットに関する正しい知識を小学生などの小さな子どもたちに教授する機会はあまりない。そこで、ロボット製作を通して、ロボットに関する正しい知識の教授と、自分で作り上げた物が動くという感動を体験してもらい、将来的に理系の分野で活躍する人材を増やすことを目的として、ロボット教室を行っている」と説明する。
「すもうロボット」の製作に当たっては、「安全面を考慮して、やけどの恐れがあるはんだ付けなどの作業は不要。製作に必要な工具や部品が少なく、短時間で完成させることができる」と継田さん。モーターの取り付け位置や重心の位置、外装などを工夫できることから、「一人一人が自身の個性やオリジナリティーを出すことができる」。昨年までのイベントを振り返り、「子どもたちはみんな楽しそうに作業を進めてくれた。アンケートの結果を見ても、『楽しかった』『ものづくりに興味を持てた』と参加者の大半に思ってもらえたよう」とも。
当初は例年通り、対面でイベントを行う予定だったが、「新型コロナウイルス感染症の影響で学校にも入れなかった。そんな最中に対面での開催はできないだろうと話をしていた。学内での授業がオンラインになったことで、オンラインなら開催できると思った」と継田さん。
開催に当たっては、プロジェクトのメンバーを集めることだけでなく、開催スケジュールを立てるのにも苦労したという。「私たちの授業や学校のイベントなど、先の見えない状況でロボット教室のスケジュールを立てなくてはならず大変だった。スケジュールを立てても、思い通りにいかないこともあった」と振り返る。
今回は初めてのオンライン開催となることから、「右も左も分からないような状態」として、30人限定で開催。継田さんは「直接会わないことによって子どもたちが理解しているのか、理解していないのかがこちらから判断がつかない。これまで手が止まっていたり、顔を上げてきょろきょろしていたりと子どもたちの動きで判断がついていたが、オンラインだと小さいモニターで判断するしかないため難しいかも」と懸念も見せる。
「このコロナ禍でたくさんのイベントがなくなってしまったと思うし、夏休みも短くなってしまったと思う。それでも、『今年も楽しかった』と思えるような思い出づくりのお手伝いができたら。スタッフ一同、一人一人のオリジナリティーあふれるロボットと、皆さんの楽しそうな笑顔を見られることを楽しみにしている」と期待を込める。
開催時間は13時~15時。申し込みは先着順で、参加費は1,000円。