古民家ダイニング「となりわ」(八王子市横山町)が1月14日、「となりわの惣菜(そうざい)」シリーズのテークアウト販売を始めた。
2016(平成28)年に旧川口邸をリノベーションして生まれた同店。今回は「フォアグラ大根」や「冷製ラタトゥイユ」「レンズ豆とコテキーノの煮込み」「燻製(くんせい)ポテサラ」「砂肝のコンフィ」などと日替わりのものを合わせて、12種類の総菜をそれぞれパックに詰め販売。パックに貼るラベルも自らプリンターで印刷した手作りのものを使うなどこだわっており、店内には「となりわのお惣菜」の看板が付けられた専用の冷蔵庫も用意した。
東京都などに新型コロナウイルス感染拡大に伴う緊急事態宣言が発令されていることを受け販売を始めた。店を手掛ける藤田佳久さんは「前回の緊急事態宣言の時よりも客足が遠のいている。そこで、買い物動線をいかに飲食店につなげられるか考えた。コンビニやスーパーに飽きてしまった方に、そういうところではなかなか食べられないものを、ぱっと買えるようにした」と話す。
提供している商品について、「洋総菜がメイン。そこら辺ですぐ買えるものではないものにした」と藤田さん。店内で提供するのとは異なり、冷めてもおいしく味わえるよう工夫したほか、パッケージごとレンジで温められるようにもしているという。「お客さんはいつ食べるか分からない。わざと冷めた状態で1日置いて食べてみるなど試してみた」とも。
販売開始から2週間がたち、藤田さんは「総菜だけ買いに来る方もいるし、ランチを食べた後に買って帰られる方もいる。買い物の帰りに寄っていただいて、そのまま夕飯にプラス1品していただいてもいいし、晩酌のつまみにしていただいてもいい。こういう状況なので、家で食べる機会が増えていると思う。家で『となりわ』が楽しめるように注力した。ほかにないメニューを用意したので、買い物のついでに寄っていただければ」とアピールする。
今月21日からは、テークアウトに対応した「ペッパーチーズハンバーガー AND サラダ」(880円)、「フォアグラハンバーガー AND サラダ」(1,280円)の提供を始めたほか、店内で提供するメニューとして、藤田さんが開発に参加したというアウトドア向けの固形燃料を使ったたき火台による「メスティンで食べる ホウボウとキノコのホイル蒸し焼き」(980円)をメニューに加えるなど新たな取り組みも進めている。藤田さんは「ほかがやっていないことに特化していくことで、選んでいただける店になれれば」と意気込む。
価格は380円、480円、580円の3種類。1月中の営業時間は11時30分~20時。火曜定休。