整体サロン「ヒーリングサロン レプス」(八王子市明神町2)の吾妻優さんがオリジナル抱っこひも「wrapco me(らっこみー)」を開発した。
八王子市立第4小学校のそばに位置する同店。ものづくりを行うことができるワークラウンジを備えたカフェ「makes mixer MUQ(ムク)」内に店を構える。同店オーナーの整体師で、4児の母でもある吾妻さんが自らの子育て経験を踏まえて、抱っこひもの開発を決意。ニット製品などを手掛ける地元企業・中山メリヤス(天神町)とコラボし、ニット製のオリジナル抱っこひもを作り上げた。
開発した経緯について、「昨年3月に4人目が生まれた。最近はベビーラップがはやり出していて、抱っこひももいろいろなメーカーから出されているのだが、布を巻くのが難しいし、お父さんにしてもらうのは無理だと思った。新生児なら軽いから伸縮性のある布でも良いが、子どもが大きくなると、それだと伸びすぎてしまうため固い布でないと駄目。意外と使い勝手が良くなく、それで買い換える人もいる」と吾妻さん。「その時に中山メリヤスさんと話をしていて、それでは、ニットで生地を作り、抱っこひもができないかと試作を始めた」という。
昨夏から動きだし、ニットの網目の細かさや糸の細さ、幅、長さ、生地の織り方など研究を重ねたという。「長くしすぎると全体が重くなるのでしんどい。長い布を床に全く付けないで扱うのも無理。布の長さも短くして重さを減らし、付けやすさのところは特に考え、最初から結び目を用意しておいて、輪の状態から巻き付けていく形にした。それで、早ければ30秒くらいで装着できるようになった」と吾妻さん。
吾妻さんは「もうすぐ生まれる方やすでに抱っこひもを使っている方に試してもらいたい」とアピールする。「使い出してからとにかく子育てが楽になったし、機嫌が悪い時にこれで抱っこしてあげると、すぐに寝てしまうようになった。『泣いちゃっててどうしよう』などお互いにマイナスになるところをぐんと減らせるという手応えがあるので、使っていただいて楽してほしい」と話す。
新生児から使えるほか、「2歳頃まで問題ないので、抱っこひもを使わなくなるまで使っていただけると思う」と吾妻さん。商品名には「巻く」を意味する「wrap」から「楽に抱っこ」という意味合いと、「私を抱っこして」という子どもから呼び掛けの意味を込めたという。
さらに育児に役立つ商品の開発に向けた支援をしてもらおうと、2月11日にクラウドファンディングを始めた。目標額は50万円で、目標を達成するかどうかにかかわらず集まった金額が起案者に支払われるオールイン方式を採る。1,000円~5万円までのコースを用意しており、8,000円のコースでは「wrapco me」1点をリターン品として提供。1万円のコースでは、同商品とプラバン作家のしばさおりさんによるオリジナルイヤリングをセットにするなど工夫する。
クラウドファンディングの実施に踏み切ったのには「テスト販売をしてみたかったというところもある」と吾妻さん。「使った後に意見を頂いて、ブラッシュアップをしていきたい。抱っこひもに限らず、日常生活の中で負担になっていることを軽減できるようなグッズも作れたら」と話す。同商品については「4月には公式サイトでの販売ができるようにできれば」と意気込む。
支援募集締め切りは3月26日23時59分59秒。