八王子市は5月20日、東京2020パラリンピック競技大会に向け、八王子での事前キャンプを予定していた台湾パラ・パワーリフティングチームについて、事前キャンプの実施を見送ると発表した。
八王子市、チャイニーズ・タイペイパラリンピック委員会と日本工学院八王子専門学校(八王子市片倉町)の3者は昨年2月、パラ・パワーリフティング選手の事前キャンプを受け入れるため連携協定を締結。同校内のメディカルフィットネスセンターを練習の場として提供する予定だった。昨年5月には台湾のホストタウンにも登録していた。
市や同校はこれまで新型コロナウイルスの感染対策も含めて受け入れ準備を進めてきたが、今月18日にチャイニーズ・タイペイパラリンピック委員会から実施を見送る旨の書簡が届いたという。「新型コロナウイルス感染症の状況を考慮した中で、断腸の思いではあるが実施の見送りを判断したとのことであり、市としてもその判断を尊重し、事前キャンプの受け入れを中止することにした」と説明する。事前キャンプは行われないが、今後もホストタウンとして、「引き続き台湾選手を応援していく」とも。
石森孝志八王子市長は「事前キャンプの中止は大変残念ではあるが、現在の状況下において苦渋の決断をされたものと拝察する。今後もこれまで築いてきた関係を大切にし、ホストタウンとしての交流を深めていきたいと考えている。台湾選手の東京2020大会での活躍を心より期待している」とコメントを出した。
パラ・パワーリフティングは下肢に障がいのある選手によるベンチプレス競技で、障がい別のクラス分けはなく、体重を基に男女とも10階級に分かれる。
広域八王子圏では、多摩市が4月16日、台湾のバドミントンオリンピック代表チームが大会期間前や期間中に同市で実施する予定だった事前キャンプの取りやめを発表している。