八王子のガレージブランドを一堂に集めたイベント「最上級な暇つぶし」が2月20日、八王子市夕やけ小やけふれあいの里(八王子市上恩方町)にある地域物産品を扱う売店「オンガタVIEW」前のスペースで行われる。
「オンガタVIEW」はCREAP(西寺方町)社内に拠点を置く「オンガタ銀座商店会」が運営する店。八王子・恩方エリアに関わる物産品を扱っており、同商店会に所属する企業が手掛ける製品や作家の作品などに加え、食品や雑貨、アパレルなどさまざまな商品を取りそろえる。
今回は同商店会がイベントを主催する。八王子でアウトドアギアを手掛けている企業などが集い、それぞれが手掛けるアウトドア用品の体験や販売などを行う。
当日は精密板金部品の製造が本業で、アウトドアブランド「OZOPS(オズオプス)」も展開する小沢製作所(美山町)や、オリジナルのたき火台などを手掛ける金属材料店の八王子工材(八幡町)、アウトドア用品などを扱っている冒険用品(西寺方町)、八王子発の薫製ブランド「けむりの」(小門町)などが出展する。
「おとなの休日スペシャル ぜいたく時間のススメ」とうたう今回のイベント。CREAPの代表で商店会の会長も務める門脇大輔さんは「キャンプはぜいたくな時間だと思う。物が豊かな時代にアナログな方に行くのは趣向の時間。そのぜいたくな時間の提案をしたい」と話す。
小沢製作所の小沢さんは「恩方はすごく寒いところなので、私たちのギアを使って、たき火を楽しんでもらいながら、製品を気に入ってほしいと思っている。私たちも楽しみながら、ユーザー候補の方と火を囲んで話がしたい。私たちが作っているところを見てもらうことで、アウトドアではこんなことができて、そのギアが八王子で作られていることを体験できるようにしたい。年に一度大きなキャンプに行く代わりに、年に6回、近くでデイキャンプをしてもらえるようになれば」と話す。
「八王子からこんなにアウトドア産業に入っているところがあるんだということを感じてほしい。作る側としては良い製品を出すだけでなく、ほかと差別化を図るためにも地域と連携し、物だけでなく事の消費も促せるようにしたい。ここに来ないと手に入らないという状態を作り出したい」と意気込む。
門脇さんは「小売店でも商品が展示してあるが、実際にどう使うかの提案を製造者がパフォーマンスし、お客さまに見せることで会話が生まれたり興味を持ってもらえたりするのではないか。炎という人が集まりやすい要素に何かを焼く煙などが合わさって、人が滞留するイベントになればいい」と話す。「八王子の町工場が作っているギアは付加価値が高いと思う。それを恩方だけでなく八王子全域の人を巻き込んで紹介できるのは商店会としても実のあること」と期待を寄せる。
2019年に活動を始めた「オンガタ銀座商店会」。「恩方は商店街があるような街ではない。企業同士の連携や情報共有の場として、30代~50代の人たちがつながるきっかけになればと思って会を立ち上げた」と門脇さん。
昨年7月には居抜き店舗を活用し、「オンガタVIEW」をオープンした。「この中にみんなの商店街が作れるのではないかと思って始めた。小沢製作所など商店会の皆さんの商品を置いている。商店街のにぎわいを創るために、店の前でイベントを定期的に行い盛り上げている。高尾など近郊のレジャースポットとも連携を取り、より恩方という場所を知っていただけたら」と話す。
門脇さんは「今まで恩方というとスポットも当たらない、何もない街というマイナスなイメージもあったが、商店会もできるなど今は活気づいてきた。その効果を自分たちでつかみ取るためにも続けていきたい」と意気込む。
開催時間は10時~日没前。雨天時は3月6日に順延。