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八王子のホテル、宴会場を「受験生勉強部屋」に開放 宿泊者の自習スペースに

部屋の入口に掲げた「受験生勉強部屋」の看板

部屋の入口に掲げた「受験生勉強部屋」の看板

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 京王八王子駅近くのホテル「the b (ザ・ビー)八王子」(八王子市明神町4)が現在、宿泊する受験生向けに宴会場を自習スペース「受験生勉強部屋」として開放している。

宴会場に設けた自習スペース

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 「the b」はイシン・ホテルズ・グループ(中央区)が国内に12店舗を展開しているホテルチェーン。「the b 八王子」は2013(平成25)年にグランドオープンした。客室数は196。

 同館では、1月31日から12階の宴会場会議室を「受験生勉強部屋」として宿泊客の受験生向けに開放。7台のテーブルと椅子、照明スタンドを用意して、7時から24時まで自習スペースとして自由に利用できるようにした。部屋に設置したホワイトボードには従業員が「絶対大丈夫」などと応援メッセージを書いた。

 総支配人の荒牧秀和さんは「親子での宿泊が多いが、ホテルのフリースペースで勉強する受験生の姿を見掛けてきた。親御さんと一緒の部屋での勉強は集中できないと思う。受験生が集中できるようにということと、親御さんもその方が安心できるのではないかと開放を決めた」と話す。チェックイン時に勉強部屋を用意していることを伝ると、「すごく配慮がなされているホテル」「ありがたかった」という喜びの声をもらうことも多いといい、特に多摩美術大学の受験生は、「長期滞在となることが多いので利用が多い」とも。

 受験生からバッグなどを預り部屋に届ける際にも、従業員がメッセージを書いた荷物札を付け応援している。「スターバックスなどでは店員がメッセージを書いてくれるが心が温まる」という荒牧さんは「思い出という土産を持って帰ってもらいたいし、ここを思い出のホテルにしてくれたらという思いがある」と話す。

 受験シーズンの終わりとともにサービスは終了するが、ホテルでは宿泊客の記録を取っていることから、荒牧さんは「合格して八王子で新居を探すことになった際、再び来館した人には『おめでとうございます』と伝えられる。覚えてもらえているとお客さまも喜んでくれるのでは」と期待を寄せる。

 「推薦入試のシーズンの利用が多い11月に向けてお客さまからの声をヒントに、さらに集中でき安心で心地よい空間の提供やスペースの拡充も考えていきたい。時間が早くなることからテークアウトする受験生もいる朝食の箱にメッセージを書いたりオリジナルの箱を用意したりなど、何か一工夫も考えている。コロナ禍で受験生と一緒に大学まで行けないこともある同伴の親御さんをターゲットに、くつろいだり喜んでもらえたりするようなこともしたい」と意気込む。

 3月1日まで。

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