ガトーショコラ専門店「fam 八王子駅前店」(八王子市横山町、TEL. 070-8978-2705)が国道20号(甲州街道)横山町交差点近くにオープンして1カ月がたった。
手作りのガトーショコラ(3,300円)のみを販売する同店。昨年1月、八王子市役所由木事務所近くに1号店となる「南大沢店」(下柚木2)を出店。今回、2月11日に2店舗目となる八王子駅前店をオープンした。
「自分へのごほうび」をコンセプトに据え、チョコレート本来の素材の味を引き出すため、小麦粉は使わず、卵・バター・砂糖のみで作り上げるなどこだわる。オーナーの金丸博明さんは「その日の気温やチョコレートの溶ける早さ、オーブンに入れる温度によって、焼く時間も微妙に変えている。冬は寒さに敏感になっている」と話す。「頑張った時に食べてみようと思ってくれたらうれしい。ぜひ常温で楽しんでもらえれば」とも。扱っている商品はガトーショコラだけだが、「今のところ変える気はない」と意気込む。
金融の世界で働き、海外赴任後、日本に戻ってきた後はベンチャー企業で事業のスタートアップを手掛けていたという金丸さん。ガトーショコラに目を付けたのは、「6、7年前に妻が初めて作ってくれた時、『これおいしい』と自分が笑顔になったのが忘れられなかった。笑顔で喋(しゃべ)ってしまうという体験は売れると思い、これはビジネスにできるなと思った」と話す。現在は「経営に関しては僕が全部やり、妻には商品のことだけ考えてもらっている」と明かす。
約3年住み「居心地が良かった」という南大沢に1号店をオープンした理由について、「本当においしいものを求める方々がたくさんいることを実体験を伴って理解した。しっかりとおいしいものが作れれば成功するんじゃないかと思った」と金丸さん。30代~40代の主婦層を中心に利用されており、「反響は想像以上。皆さんに興味を持っていただけた。夏はチョコレートが売れないと言われる時期なのにお盆はすごく売れた。昨年末も八王子の皆さんが帰省の手土産などにしてくれたことで、クリスマスの2倍以上出た。それを見た時、1年で地元に根付いた店になったと思った。うれしかった」と振り返る。
2号店を中心市街地に出店したのは、盆や年末に店がにぎわったことが影響しているという。「八王子を盛り上げるために店を出したいと思った。『八王子愛』という言葉があるように、そういう思いが強いエリアは良い」と金丸さん。
現在は当日販売分として用意しているものについて、平日は14時~15時ごろには売り切れ、「休みの日は早ければ12時30分ごろには売り切れてしまう」と金丸さん。2号店も南大沢と同じくファミリー層の利用が多いが、「当日、ふらっと入ってこられる方は高齢の方も多い。来る人みんなが『おいしいと聞いて』と言ってくれるので、口コミが早いと思った」と話す。
「2店舗で終わるつもりはさらさらない」と金丸さん。「商品力があるからお客さんが来るわけではない。1回来てくれたお客さんが食べて、商品力が分かるからリピーターになり広めてくれる。口コミに勝るものはない。どうやったら新規の方に来ていただけるか、泥臭いことをやり続けたのが今の結果なので、この経験値はとても大きい。ほかのところでもできると思っている」と意気込む。
営業時間は10時30分~準備数売り切れ次第。