保護猫と譲渡希望者の間の交流などを図っている「はちねこ」(八王子市初沢町)が現在、西八王子駅近くに「保護猫カフェ」をオープンするため資金支援者を募集している。
飼い主のいない猫を保護し、飼育希望者に譲渡する活動などを進めている同団体。市民によるボランティアで運営しており、地域猫に関するセミナーなどイベントも開催している。
「はちねこ」では現在、西八王子駅から徒歩6分、国道20号(甲州街道)・千人町1丁目バス停近くの空きテナントを借り、カフェ作りを進めている。猫の住居となるケージ、キャットルームに加え、ハンドメード作家の作品を扱うレンタルボックスなども設ける予定で、8月中旬のオープンを目指している。
昨今の物価高で改装にかかる材料費が高騰していることに加え、コロナ禍で企業などから支援を受けることも難しいことから、今回、クラウドファンディングサイト「CAMPFIRE(キャンプファイヤー)」を利用して、支援を呼びかけている。
目標を達成するかどうかにかかわらず集まった金額が起案者に支払われるオールイン方式を採る。3,000円~100万円までさまざまなコースを用意している。5,000円では、地元の職人とコラボし作り上げているオリジナル手ぬぐい、一般から集めた猫の写真を月ごとにまとめたオリジナルカレンダー「今月 mo はちねこ!」など、1万円ではオープン後に同施設を20回利用できる「保護猫カフェ利用券」などをリターン品としている。パン店「森のぱんやさん」(千人町2)のクッキーなど同団体とかかわりのある地元店の商品も取りそろえる。575万円を目標に支援を呼びかけており、7月13日時点で約300人、約545万円の支援が寄せられている。
同団体では現在、高尾駅南口から徒歩1分の場所に拠点を設けている。猫を一時置くシェルターの機能はなく、保護した猫はメンバーが預かって育てており、希望者への譲渡も毎週末に限るなど制限が多い。そこで、新施設では猫のシェルター機能を持たせた上で、毎日営業することにしている。
「はちねこ」の小林結花代表は「保健所など行政からの保護の依頼もあり、個人レベルでは対応しきれなくなっている。障害のある猫や高齢の猫も増えてきて、メンバーに掛かる負担も増えている。みんなで一緒にお世話ができればと思って、新施設を作ることにした」と説明する。
資金面について、「自分たちで努力しようと思っていたが、その限界を超えてしまった。こういう活動を行っていることを知ってほしいという思いもあり、クラウドファンディングを始めた」と小林さん。オープンに向け、「動物で困っている方に何かしていきたいというのが私たちの原点。困った時には一緒に解決できるようになれば」と意気込む。
支援募集締め切りは今月24日23時59分59秒。