八王子まつり実行委員会が7月27日、「八王子まつり」の2022年開催中止を発表した。
八王子の中心市街地にある甲州街道(国道20号)をメイン会場に山車(だし)やみこし、民踊流しやパレードなどを行う同イベント。例年、3日間で約70万人が来場する。2020年と昨年は新型コロナウイルスの感染拡大のため2年連続で中止となった。
今年は8月5日から3日間の日程で行う予定だった。今月13日には同祭り会長を務める石森孝志八王子市長が3日間の開催内容を発表。参加者が密集する恐れがあることから例年行っている多賀神社と八幡八雲神社の宮みこし渡御(とぎょ)を中止したほかは、ほぼ例年通りの規模で行うことにしていた。
今回、第7波とも呼ばれる新型コロナウイルスの感染者数急増を受け、開催中止を決めた。同祭りの関連行事として位置付けられている「八王子花火大会」については、既に今年の開催中止が発表されており、どちらも3年連続での中止となる。
なお、八王子花火大会については、代替企画として今月下旬に日時・場所は告知せず、観覧場所も設けない無観客開催の形でサプライズ花火の打ち上げを行うことにしているが、同大会の実行委員会が置かれている八王子観光コンベンション協会(旭町)の担当者によると、現時点では予定通り行うという。
13日に行われた記者会見では、今回の感染者数の急増に合わせて「まん延防止等重点措置などが出されれば祭り自体にも影響は出る」としていた石森市長。今回の中止決定について「八王子まつりは、昨年、一昨年と中止になっており、今年こそ開催したいという強い思いを持ち、実行委員会をはじめ、多くの関係者と共に実施に向けて準備を進めてきた。しかし、ここで感染が急拡大し、市内の医療もひっ迫しつつあること、また、八王子まつりは規模が大きく、市外からの来場者も多くなると見込まれることから、市民の皆さまの安全を考慮し、断腸の思いだが、中止を決断した」と説明する。
今回の開催中止決定を受け、西東京バス(明神町3)は同祭りの開催に合わせて行う予定だった甲州街道迂回運行や「市街地循環線」の運休を行わないことを決めた。八王子市では、今月25日に要入院調整リストの作成や診療所などの受け入れ調整を行う目的で「八王子市新型コロナウイルス感染症医療体制支援拠点」を市保健所や市役所に設置した。8月7日にはショッピングセンター「八王子オクトーレ」がある八王子スクエアビル(八王子市旭町)に新型コロナウイルスのワクチン接種会場を設けることも決めた。