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「八王子まつり」公式ポスター公開 地元学生が授業で作成

デザインを手がけた学生を表彰

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 八王子まつり実行委員会が7月13日、今年の「八王子まつり」公式ポスター公開やデザイン制作者表彰を行った。

石森市長から表彰を受ける米山さん

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 多摩地区最大規模の山車(だし)まつりとして知られる同祭り。甲州街道(国道20号)をメイン会場に山車やみこし、民踊流しやパレードなどさまざまな催しを行う。2020年と昨年は新型コロナウイルスの感染拡大を受け、2年連続で中止となった。今年は8月5日から3日間の日程で行う。

 同会では祭りの開催に合わせ、公式ポスター、観光誘致ポスター、手ぬぐいの3点を地元の学校とコラボし作っている。ポスターは2014(平成26)年から日本工学院八王子専門学校(八王子市片倉町)、手ぬぐいは2020年からサレジオ工業高等専門学校(サレジオ高専、町田市)と連携。それぞれ学生が授業の一環でデザインを作った。

 今年のポスターは日本工学院八王子専門学校グラフィックデザイン科の学生47人が作品を制作した。そのうち、16人が1次選考を通過し、公式ポスターは同校3年の米山レイさん、観光誘致ポスターは同3年の三井望里さんの作品を最優秀に選んだ。手ぬぐいはサレジオ高専デザイン学科の19人が制作に参加し、7人が1次選考を通過。同校5年の今村杏さんの作品を選んだ。

 当日は八王子市役所で表彰式を行った。最優秀に選んだ3人には同祭り会長を務める石森孝志八王子市長が表彰した。1次選考を通過した学生には青木正明実行委員会委員長が感謝状を贈った。

 公式ポスターに採用された米山さんは「まだ最優秀賞を受賞した実感がない」と話す。ポスターには自ら考えた「暗闇を照らす平和の燈(ともしび)」という文言と共に、モノクロの世界と明るい山車の姿をデザインした。「暗闇は新型コロナウイルスを比喩(ひゆ)したもの。『平和の燈』は山車やみこしに付いているちょうちんの温かい明かりのことで、新型コロナウイルスで気持ちが沈んでしまっているところを今回の八王子まつりを通して、温かく明るく照らしたいという気持ちを込めた。まず言葉を用意して、それに見合ったビジュアルを作った」と米山さん。

 観光誘致ポスターを手がけた三井さんは「この2年間、開催されていないということだったので、暗い中を明るくしようと思い、山車やみこしに囲まれた1枚の写真を使った」と振り返る。「今まで頑張ってきた結果が出てとてもうれしい。ポスターを見て、たくさんの人に八王子まつりで楽しい思い出を作ってもらえたら」と話す。

 手ぬぐいのデザインコンセプトについて、今村さんは「疫病を吹き飛ばすくらいの祭りの勢い」と「天狗が起こす辻風(つじかぜ)」と説明する。「暑いので涼し気なデザインにしたかった。水色でさわやかに彩った。1人で作るものではないところにデザインと祭りは似ているところがある。実際に使ってくれる皆さんも含めた協力があって成り立っている。手ぬぐいデザインという形で参加できてうれしく思う」とも。

 青木委員長は中止になった2年を振り返り、「昨年、一昨年とポスターを作っていただいた皆さんには本当に申し訳ない」と話す。「今年も立派なポスターができた。街を歩くとパッと目に入るようなものを作ってもらった。手ぬぐいも今までにないようなデザインで素晴らしい。われわれも万全を尽くして祭りを行いたい」と話す。 

 石森市長は「選考委員からはどの作品も素晴らしく、最優秀賞を選ぶのが難しかったと聞いた」としたうえで、「今年は3年ぶりの開催となる。既に市内各所にポスターを掲示しているので、市民の皆さんも祭りの開催を楽しみにしていると思う。今年は必ず八王子まつりを開催するため着々と準備を進めている。日本遺産認定後初めての八王子まつりなので、多くの皆さんの力を借りながら、安心安全な祭りを行いたい」と意気込む。

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