小沢製作所(八王子市美山町、TEL. 042-650-7360)が11月9日、金属を曲げてたき火台を作る工作キット「小焚台(こたきだい)」の販売を始めた。
1966(昭和41)年創業の同社。八王子市内の美山工業団地に本社を置き、精密板金部品の製造などを行っている。近年はアウトドアブランド「OZOPS(オズオプス)」を展開。メスティン用たき火台「M-8ストーブ」やアウトドア向け鉄板「ヨコザワテッパン」用の固形燃料ストーブ「YSストーブ」などオリジナル商品の開発・製造・販売を行っている。
今回は同ブランドの5番目の商品として発表した。金属工作とたき火を一度に楽しめる「体験型たき火台」をうたう。子どもでも簡単に工作ができるようA4サイズの亜鉛鉄板には折り線が入っており、折り紙のように線に従って金属を曲げることで、工具を使うことなくたき火台を作ることができる。
たき火台が完成した後は油性ペンやクレヨン、色鉛筆などで飾ることもできる。オズオプスのブランドプロデューサーで、同社の小沢達史社長は「そこまで行うと約20分、火を付けると1時間はかかるので、お子さんの遊びとして十分なはず。夏休みの自由研究にもなる」と話す。
「たき火台というよりは工作キットといったほうが近い。作ったものがインテリアになるのではなく、実際に使える道具になることが強み。作って、その後の楽しい思い出につながるプロデュースができることを開発コンセプトにした」と小沢さん。「お子さんとお父さん、お母さんが一緒に作って、その後に火をたいて、マシュマロを焼いてと、そこまでを1セットのストーリーにした」とも。
アウトドア関連のイベントに参加した際、ワークショップの需要を感じたことから開発に踏み切った。小沢さんは「工作のアイデアはもともとあった。体験全体をプロデュースでき、五感が全部使え、自分で作ったものを使うときに品質がコントロールしやすいものは何かと考えたときに、たき火に行き着いた」と振り返る。
開発に当たっては、子どもでも組み立てられるよう配慮したという。「5歳くらいで折り紙ができる子だったらすぐに組み立てられると思う。ちょっと作るのが難しいお子さんでも学びにつながる。ぱっとできてしまった子は褒めてあげてほしい」とも。
今後は、個人向けの販売に加え、ワークショップなどを企画するキャンプ場など企業への売り込みも行う予定という。小沢さんは「第2弾商品の試作も始まっている。カジュアル寄りのものになっているので、工作は面白いことを提案していきたい」と笑顔を見せる。
「日本はものづくりで付加価値を生み出してきた国だから物を作ることを疑似体験してもらいたい。八王子はものづくりの街としても優秀。地域の自然や人たちと町工場がつながる接点になれば」とも。
組み立て後のサイズは、幅=約16センチ、奥行き=約13センチ、高さ=約5センチ。商品には、たき火台になる金属板のほか、ちょうネジと金属加工の際に生じる出っ張りを取る「バリ取り」のためのやすりがそれぞれ1個付属する。
希望小売価格は2,200円。個人向けには小売店のほか、オズオプスのウェブサイトでも販売している。