八王子市が2月9日、2023年度予算案を発表した。
「高尾山口駅前公園整備」の基本方針作成時に作られた完成イメージ
予算規模は、一般会計が前年度比4.3%増の2,173億円、特別会計が同1.1%増の約1,907億円、公営企業会計が約216億円、合わせて4,296億111万円となった。総額では前年度と比べて約104億円、2.5%増えた。
2023年度は新たな基本構想・基本計画として打ち立て、市の最上位計画とした「八王子未来デザイン2040」の初年度と位置付ける。
まちづくり事業については、八王子医療刑務所跡で進む「八王子駅南口集いの拠点」整備について、2026年度のオープンに向けて、既存施設の解体や施設設計を始める。3月にも公共施設の設計・建設・運営・管理などに民間の資金や能力を活用する「PFI」を活用して、正式に事業者と契約を結ぶ予定だという。八王子駅南口前から同所に向かう間にある「とちの木通り」について、にぎわいの創出に向けた道路空間活用の検討を始めるという。
石森孝志八王子市長は「計画してから長い時間がたち、ようやく具体化してきた。南口直近の良い場所にあるので、多くの方の意見をもらいながら煮詰めてきた。ようやく事業者も内定したし、ワクワクするような内容になっているので、完成のあかつきには多くの市民の皆さんに利用していただきたい」と話す。
高尾山口駅前を流れる案内川で都が進める整備工事が2023年度内に完了予定であることを受け、「(仮称)高尾山駅前公園」の整備に着手することも明らかにした。2024年度に供用を開始する予定で、予算額は9,000万円。昨年12月に発表した高尾駅の北口と南口の間を結ぶ「高尾駅南北自由通路」の再事業化を受け、高尾駅北口駅前広場の整備に向けた予備設計修正費用も予算に反映した。
八王子市保健所跡地で進む広場整備事業、八王子市夕やけ小やけふれあいの里(八王子市上恩方町)の大規模改修に向けた基本計画などの策定支援、西八王子駅周辺地区の住民などによる地区活性化に向けた事業を考えるワークショップの開催支援費用なども予算に盛り込んだ。
まちづくりにかかわる大型事業が動き出すことを受け、石森市長は「市長就任の時から特に八王子の顔となる八王子駅周辺をしっかりと整備していきたいという強い思いがあった。ようやく北口も南口もどんどん動き出し、街が変わりつつある。多くの市民の皆さんに喜んでいただけるようなまちづくりを進めていければ」と話す。
そのほか、都内26市で初めて産婦健康診査の費用助成を始めるほか、新たに11台の電気自動車を公用車として導入したり、八王子駅南口の「とちの木デッキ」などに太陽光路面発電パネルと蓄電池を整備したりと地球温暖化対策に向けた取り組みの充実を図る。
4月にエスフォルタアリーナ八王子(狭間町)で行われるボルダリングの世界大会「IFSCボルダリングワールドカップ八王子2023(仮称)」や、11月に東京たま未来メッセ(東京都立多摩産業交流センター、明神町3)で開催する「日本遺産フェスティバル in 桑都・八王子」など大型イベントに向けた取り組みも進める。
2020年から3年連続で中止となり、今夏に開催されれば4年ぶりとなる「八王子まつり」について、石森市長は「街の皆さん、特に若い世代が練習して発表する場がないので、今年はどんなことがあろうとも開催したい。いつも以上の祭りが開催できれば」と意気込む。