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八王子市が6月補正予算案公表 給食費無償化実現へ

補正予算案を説明する初宿市長

補正予算案を説明する初宿市長

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 八王子市が6月3日、6月補正予算案を公表した。

補正予算案の概要をまとめた冊子

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 八王子市の2024年度予算は、当初予算規模として過去最大の4,452億3,084万円だった。予算の取りまとめが初宿(しやけ)和夫八王子市長の就任直後だったこともあり、人件費や公債費、扶助費など法や条例、契約などに基づく「義務的経費」などをまとめた「骨格予算」と位置付けていた。

 今回の補正予算案では、初宿市長が選挙で掲げた公約の実現に向けた事業費などを計上した。予算規模は、一般会計=90億9,900万円、特別会計=3億1,422万1,000円、合わせて94億1,322万1,000円。

 子育て世帯への経済的負担を減らすため、2学期から学校給食費の保護者負担分を無償化する。約3万7000人の市内の小中学校、義務教育学校に通う児童・生徒が対象で、 保護者による手続きは不要。食物アレルギーなどのため弁当を持参している場合は保護者に対して現金を給付する。

 1食当たりの給食費は、小学校低学年=250円、同中学年=270円、同高学年=290円、中学校=330円で、1人当たりの年間の負担軽減額は、小学校=約5万1,000円、中学校=約6万2,000円としている。事業費として約11億2,000万円を計上し、国庫支出金=約3億4,000万円、都支出金=約5億6,000万円、市の一般財源から約2億2,000万円を充てる。

 給食費無償化については、初宿市長の就任初日に「学校給食費無償化に向けた庁内検討会」を設置し検討を進めてきた。初宿市長は「約束したことを私なりに最速で示すことができた。既に無償化されている自治体もあり、住んでいる地域によって子どもたちの教育環境が違うことになっている。子どもたちが生まれ、育ち、学ぶ、この場所において、私たちができる公教育環境の整備を可能な限り行いたい」と話す。

 給食費の無償化を年度当初から行う場合は概算で年間23億円かかり、市は12億円を拠出することになるという。今後について、「既に目的を達成した施策などを中心に全事業に対して徹底的に見直しを行うことで対応する。一般財源という市民の金でまかなう事業は、より力を入れて見直す。予算で示している事業費には人件費は入っていないので、人件費も合わせて効果があるかないかを検証し効果がないものは止めていく。これより先の段階には進みたくないが、この段階を経た後、効果があるものも優先順位を付けていくことになる」と初宿市長。

 今回の補正予算案では、避難所となる小中学校体育館への空調機設置や、135カ所の指定避難所に高さ=1.8メートル、幅=2.1メートル、奥行き=2.1メートルの簡易間仕切り配備、災害発生後、72時間までに開設し軽症者の治療などに対応する市内15カ所の「緊急医療救護所」で使う医薬品を確保するため、薬局に普段から少し多めに用意してもらい、使いながら補うローリングストックの手法で医薬品を備蓄するための予算付けも行った。

 八王子への企業誘致を促進する事業も始動させ、庁内の関連所管が集まる「企業立地促進プロジェクトチーム」も立ち上げることにした。今後は八王子商工会議所や八王子市まちづくり公社、不動産事業者、金融機関などとの連携も見込む。

 初宿市長は「『災害に強いまちづくり』として、小中学校の体育館の空調についても公約に掲げていた。医療についても取り組んでいくと言ってきたが、薬のローリングストックを入れることができたのは『初宿カラー』の一つと言える。企業誘致は市の税収を増やす取り組みの一つ。企業が来ることで雇用が生まれ産業振興ができる。外から企業に来てもらうことで市内の事業者もうるおう。私もシティーセールスに取り組んでいる」と話す。

 就任から半年がたち、「長かったようで短く毎日が精いっぱいで大変だった。振り返る余裕はまだない。健康管理の面でもどこかで一回、ちゃんとオフを作らないといけないとは思っている。そうしないと市民のための良い仕事はできない」と初宿市長。

 予算案を審議する市議会本会議は今月10日から行われる。

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