
スポーツ体験と夏祭りを組み合わせたイベント「はちスポ夏祭2025」が9月13日、富士森公園内の「東京フットボールセンター八王子富士森競技場」(八王子市台町)で行われる。
「スポーツと夏祭りで八王子をつなぐ」をテーマに、さまざまな企画を行う同イベント。2023年に初めて行われ、今回で3回目。Jリーグ入りを目指す八王子のサッカーチーム「アローレ八王子」の運営などを手がけるNPO法人「はちきたSC」が主催する。
日中はコート外からの指示や声掛けを禁止し、選手の主体性を基に戦うノーコーチングサッカーを開催する。今回は八王子市内外から27チームが参加する。
夕方からは一般向けにサッカー、バスケットボール、跳躍器具、テニス、バレーボール、野球など各競技を基にした30種類以上のスポーツ体験や、職業体験、防災体験、環境活動などを組み合わせたスタンプラリー、ステージイベントなどを展開する。
会場には地元飲食店などがキッチンカーや屋台を出店する。手持ち花火や仕掛け花火を楽しむ企画も行う。乳がんの早期発見・治療を呼びかける「ピンクリボン運動」の活動を八王子で進めている「はちおうじピンクリボン」とコラボし、ピンク色のランタン約1000基を空に飛ばす企画も行う。
「アローレ八王子」はサッカーを通じた地域活性化を目指して、2011(平成23)年に創設。社会人で構成するトップチームは現在、東京都社会人サッカーリーグ1部に所属し、9月9日時点では残り4試合を残して、順位は18チーム中4位に位置する。
イベントの実行委員長は「アローレ八王子」でディフェンダーとして活躍する宮崎耀選手が務めている。「昨年は7月に開催したが、暑さに加え雷の影響で中止となった。イベントは安全に楽しんでもらうことが第一。夏の雰囲気を感じられつつも暑さが少し和らいだ中で安心して楽しめるよう、今年は9月に開催する」と話す。「30種類以上のスポーツをはじめ職業や防災など、さまざまな体験ができるスタンプラリーが目玉。子どもたちが新しい挑戦に出会い、『やりたい』を『できた』に変える企画として祭りの中心に据えている」とも。
宮崎さんは小学生の頃、やりたかったサッカーができなかった体験や、選手になった後も5年間で4度の手術を受け活動できなかった経験などを振り返り、「やりたいのにできない悔しさを何度も味わった。指導者として子どもたちを見ていても、家庭の事情で続けられず泣きながら帰る子を目にしてきた。同じ思いをさせたくないし、誰もが自分で選び挑戦できる場を届けたい。夏祭りは子どもにとっては特別な非日常。夏祭りを通じて行うことで、子どもたちには体験の入り口になりやすい。楽しい空間なので世代や背景の異なる多様な人が自然に集まり交わることができる。子どもたちにとっては挑戦の場に、大人にとっては地域のつながりを取り戻す場にしたい」と話す。
チームにとっては、シーズン終盤のベスト3入りがかかる時期でのイベント開催となるが、「それでもこのイベントに全力を注ぐのは『スポーツを通じて八王子の未来をつくる挑戦』だから。スポーツは単なる競技ではなく、人を笑顔にし地域をつなげ人生を豊かにしてくれるもの。選手としてピッチで挑戦することも、実行委員長として地域を盛り上げることも根っこにある思いは同じ。子どもたちの未来のために、自分ができることを全力でやって笑顔にしたい。誰もが主役になれるこの日は子どもたちにとっては新しい一歩となり、大人にとっては地域を支える誇りを感じられる時間になると信じている。会場で『やりたい』が『できた』に変わる瞬間を一緒に体感してほしい。一人ひとりの笑顔と挑戦が八王子の未来を変える大きな力になる」と宮崎さん。
開催時間は16時~20時。入場無料。小雨決行。荒天の場合は9月27日に順延。