八王子市が2月17日、2026年度予算案を公表した。
予算規模は、一般会計が前年度比3.9%増の2,451億円、特別会計が同3.6%増の約2,047億円、下水道など公営企業会計が約289億円、合わせて4,786億8542万円となった。予算案の規模としては過去最大。総額では前年度と比べて約209億円、4.6%増えた。
個人市民税や固定資産税など歳入は増えるものの、学校の改築をはじめとした教育費、保育サービスや障害者自立支援給付などの扶助費、職員の給与改定に伴う人件費といった義務的経費が増えたことで、歳出も膨らんだ。
新たな事業として、がけ崩れや擁壁の倒壊を防ぐための実態調査、災害時に避難所となる市民センターへの空調機の設置、「はちビバ」として市内に10館を展開している「子ども・若者育成支援センター」でのデジタル創作体験事業などを進める。
地域公共交通の再編にも手を付ける。地域循環バス「はちバス」は、現在の4路線から10路線に増やしながらも運行体制を見直す。10月に「八王子駅南口集いの拠点 桑都の杜(そうとのもり)」(八王子市子安町)が開業するのに合わせ、八王子駅南口と同所の間で「レベル2」の自動運転バスを実証運行する。高尾駅の北口と南口の間を結ぶ「高尾駅南北自由通路」は、来年度中の事業認可申請や整備工事着手を目指す。
創業支援に向け、若者向け創業支援プログラムの実施や創業体験イベント、創業希望者や学生を対象としたアイデアピッチコンテストを新たに開催する。人材コンサルタントを企業へ派遣する就業マッチング支援、バリアフリー化など中小企業が人材確保を目的に行う取り組みへの費用補助も始める。
市のガバナンス強化、公立学校再編をはじめとした事業再点検のための人員を新たに配置する。政策立案・推進担当部門や、まちづくり部門、産業振興部門など市の組織は一部再編する。
初宿市長は「端的に申し上げれば市民力と地域力を大事にした予算。私が就任以来掲げているキーワードであり、これをベースに予算を組み立てた」と話す。
スタートアップ支援について、「創業はその街の産業の勢いを測る指標で、社会課題の解決にもつながる。新たにビジネスを生み出すノウハウやエネルギーは事業者だけでなく、それに関わる市の職員にとっても貴重。今後の課題解決に生きるはず」と初宿市長。
「高尾駅南北自由通路」は、2014(平成26)年に市・JR東日本・京王電鉄の3者で協定を締結。事業費の高騰などを受け、2022年には当初の計画を変更する協定を改めて結び、2026年の着工を目指してきた。初宿市長は「高尾駅の不便さは就任前から声をいただいており、ようやく事業着手へ向けた一歩を踏み出せる。自由通路ができると人の流れが変わり、街そのものに影響を与える。地域住民とよく対話し、丁寧に進めたい」と話す。
同日には2月補正予算案も公表した。国の地方創生臨時交付金を活用した物価高騰対策給付については、「桑都のまち応援給付金」として、八王子市独自のデジタル地域通貨「桑都ペイ」か現金給付のいずれかを選べるようにする。「桑都ペイ」を希望する人は1人当たり6,000円相当分のポイント、現金の場合は1人当たり5,000円を給付する。