八王子に暮らす大学生の模様を伝えてきたホームページ「はち暮らし」が1月23日、最後の更新を終えた。
同サイトは法政大学社会学部「矢部ゼミナール」に在籍する3年生がその活動の一環として運営していたもの。八王子に暮らす5人のメンバーが日記やインターネットラジオ、動画、ツイッターなどの手段を使って、その生活を一般に「のぞき見」させていた。「この街は都会のように華やかではない。しかし、ここでしか味わえないレジャーやショッピング以外の暮らしの良さやおもしろさは確かに存在している」と編集長を務めたヘンリーさん。「この魅力をわたしたちの暮らしを通して若者に共感してもらいたいと考え、このサイトを立ち上げた」。
動画配信サイト「ニコニコ動画」で公開した動画では、料理をしている模様や昼休み、鍋パーティーの模様など、「普通の日常」をそのまま流した。「現在のインターネットの流れに、ニコニコ動画やツイッターなど『何気ない日常を楽しむ』傾向がある」とヘンリーさん。「その流れにのって、バカみたいと思いつつも共感してしまうような、わたしたちのありのままの生活を伝えていきたいと考え、会議を重ね企画を立てた」。
開始当初に決めていたことは月曜日に漫画を、金曜日にインターネットラジオを更新すること。「あとは思いついたらとにかくやってみよう!と」。ヘンリーさんとメンバーのアレスさんの2人が一緒に暮らす模様を伝えた「同棲奮闘記」に至っては、アイデアが出た翌日にスタートしたという。「休みなく集まっては、どうサイトを良くしていくかという話し合いの毎日。まったく新しいものを一から作っていたので、手探りの日々だった」と振り返る。
更新を終了することになったのは、これから就職活動に入るため。しかし、更新を終えてみて、「八王子での生活を満喫していたのは、自分たち以外にいないだろうと思うくらい」楽しかったという。「制作が終わった徹夜明けにみんなで酒を飲んだり、用事がないからといって夕方までメンバーの家で寝たりという、こういった『なんともないようなこと』が本当に楽しく面白かった」。
「わたしたち学生はかけがえのない時間をすごし、気づかぬうちに多くの思い出を作っている。その一番身近でかけがえのないことを、このサイトの運営を通してに気付くことができた」とヘンリーさん。「更新はもう終了したが、サイトを見ていただいた方が自分にとっての『八王子で暮らす良さ』を感じていただけたら」。