国土交通省関東地方整備局相武国道事務所は2月19日、高尾山周辺の甲州街道(国道20号)を対象にした「甲州街道(高尾地区)道路景観整備計画」を策定したと発表した。
市内の甲州街道の中でも「高尾駅前交差点」から「追分町交差点」までの約4キロについては、1929(昭和4)年、大正天皇の多摩御陵完成に伴って宮内庁がイチョウを植樹。現在、このイチョウ並木は市指定天然記念物になっているほか、2000年には東京都が景観法に基づく景観重要公共施設の一つ「景観重要道路」として指定している。毎年11月には同区間のイチョウ並木を題材にした「八王子いちょう祭り」も行われており、八王子の観光資源の一つになっている。
同事務所では2000年3月、この地区の景観資源の調和と整備を目的に「国道20号高尾地区道路景観検討委員会」を立ち上げ、昨年6月にはワークショップも開催。「地元の皆さまから意見をいただきながら、イチョウ並木の良好な景観形成に向けた検討を進めてきた」と同事務所。「イチョウ並木や周辺景観と調和した道路空間の創出や、地域と一体となり効率的で低コストな維持管理を目指し計画を策定した」。
計画では「高尾駅前交差点」から「並木町交差点」間で電線等の地中化を実施。これに合わせて、歩道を現在のアスファルトのものから、ベージュ系のブロック舗装に切り替える。照明などについてもイチョウ並木などとの調和を図るため、更新や新設のタイミングに合わせて順次色彩を統一していく。また、落ち葉対策として、「沿道住民のみなさまの協力を得て、道路管理者と同一時間帯で清掃をするなどの工夫をしていく」という。