東京薬科大学(八王子市堀之内)は4月から、学生向けに建設を進めている福利厚生施設「学生会館」のうち食堂の利用を開始するなど、薬学部の6年制化に合わせた環境整備を進めている。
同大学は1880(明治13)年設立の東京薬舖学校が前身。今年で創立130周年を迎える。4万平方メートルを超える構内に2,000種類もの薬草・薬用植物をほぼ自然の状態で栽培する「都内最大級」の「薬用植物園」を持つことでも知られる。
薬事法などの改正に伴い、2006年度から薬剤師を養成する「薬学部」は4年制から6年制に移行。中でも、同大学は1学年の定員が420人と国内最大規模で、「この制度改正の結果、薬学部の学生数は840人増加する」と同大学事務局長の中澤さん。これに加えて、同大学生命学部が2008年度に「生命医科学コース」を新設したため、その学生数は一気に1,000人以上増えることになった。
こうした事態を受け、同大学は2008年に模擬薬局や模擬病棟などを備えた7,000平方メートルを超える教育棟「教育5号館」を新設。さらに、研究棟「(仮称)総合教育研究棟」の建築も始めるなど、新たな教育体制へ向けて急ピッチで環境整備を始めた。
今回供用を開始した「学生会館」も学生数の増加を受けて建設を決定。食堂や書店、コンビニ、自習室など学生向けの設備を持つ。昨年5月に建設を始め、これまで600人規模だった食堂は今回のリニューアルで1,200人規模まで拡充した。「学生数の増加に合わせて必要となる面積以上に広げた」と中澤さん。
2階のカフェテラスには屋外に100席分のスペースを用意。「質的にも快適で使いやすく、ゆとりある空間となった。山側の側面が床から天井までガラス張りで、自然の中にいるような気分が味わえる」。今後は隣接する既存部分のリニューアル工事を進め、今秋には売店や学生談話室なども拡充する予定。