起業やSOHO事業者などを対象としたベンチャー向けオフィス「SOHOプラザ八王子」(八王子市新町)が5月1日、開設から1カ月を迎えた。
同施設は真尾(さなお)工務店(横川町)が空いていた物件を活用する形で今年4月に開設。多摩信用金庫(立川市)が事業者育成の面で協力している。
同信金は京王八王子支店(明神町2)内に商談コーナーやベンチャー向けオフィスなどを備える「ブルームセンター」(明神町2)を設置し、起業支援や事業者の育成などに乗り出している。3月末には東京都中小企業振興公社が八王子で展開していたベンチャー向けオフィス「ベンチャーHACHIOJI」(明神町3)が運営を終了。近年、八王子の起業に向けた状況が変わりつつあることを受け、今回の開設が決まった。
約45坪のフロアに、1部屋あたり4~11平方メートルのスペースを用意。システム開発の「MOBWAYS」や薬品の製造販売を行っている「東京電子材料」などに加え、「電子製品の開発業務コンサルティング会社、社会保険労務士、漫画家などが入居している」と同信金価値創造本部ブルームセンターの高山さん。15あるブースのうち、すでに9カ所は入居済み。同センターのベンチャー向けオフィスを「卒業」し、開設に合わせて移転してきた企業もあるという。
壁を白くする事で圧迫感を低減したほか、既存のベンチャー向けオフィスと比べて、「仕切りの壁が厚いのが特徴」と高山さん。各ブースには電話回線やコンセントを設置したほか、光ファイバーによる高速インターネットも共用で使用できる。打ち合わせの際には、フロア内の共用スペースのほか、同センターに設けられている商談スペースも利用することが可能。家賃は水道代などの光熱費や共益費を含めて2万7,000円からと低めに抑えた。
今後は入居企業を対象に交流会を開催するほか、既存のベンチャー向けオフィスとの連携も見込む。「八王子のほかのビルでも広げていきたい」と高山さん。