工学院大学八王子キャンパス(八王子市中野町)に拠点を置く「ソーラーカープロジェクト」が8月12日まで、秋田県大潟村で行われていた「2011ワールド・グリーン・チャレンジ」の「ソーラー&FCカー・ラリー」に参戦した。
昨年まで実施していた「ワールド・ソーラーカー・ラリー」と「全日本学生ソーラー&FCカーチャンピオンシップ」の2つを一本化して、今年初めて行われた同イベント。今月7日から大潟村ソーラースポーツライン(秋田県大潟村)を会場に2つのレースを開催。同プロジェクトは10日から行われた「ソーラー&FCカー・ラリー」に登場した。
2007年8月に学生の手によって始まった同プロジェクト。同大学機械システム工学科の濱根洋人准教授が代表を務め、学生による理工系活動を支援しようとキャンパス内に設けられた「夢づくり工房」をベースに活動を行っている。2009年8月には鈴鹿サーキット(三重県鈴鹿市)で行われたレースに初参戦。以降、イベントやレースに数多く参加している。
同プロジェクトが参戦したのは、ソーラーカー部門の「チャンレンジクラス」。全長5メートル以内、幅1.8メートル以内、高さ1.6メートル以内といったレギュレーションを守りながら、「KGU_S1」と名付けた車を作り上げた。昨年参加した際、パンクしやすかった点を改善した上で、実用性も重視。「普通の車と同じように運転できる」ことをコンセプトに、「安全性も高いし、3輪が多い中、4輪を採用して実車に近い車になっている」と同プロジェクトのリーダーで電気班の仲川さん。「実車に近いものをどんどん出していくことで、ソーラーカーを広げられれば」とも。
レースにはプロジェクトのメンバーやサポートスタッフ合わせて、20人を超えるメンバーが参加。1周25キロのコースを3日間、25時間走って総走行距離を競う。同プロジェクトは初日に12周、2日目に14周、最終日には12周を走ってクラス2位、総合順位5位と健闘。「私たちのソーラーカーが秋田で走れたのでよかった」と仲川さん。
周回を重ねたかったものの、曇りと晴れが交互に訪れた天候に「走行中の充電が想像以上にできなかった」と振り返る。最終目標をオーストラリア大陸約3,000キロを縦断する「ワールド・ソーラー・チャレンジ(WSC)」に置き、「みんなで行きたい」と仲川さん。