京王電鉄は4月30日、京王高尾線・高尾山口駅周辺について、日帰り温浴施設を2015年春に開業し駅舎の大規模リニューアルを含めた周辺整備も行うと発表した。
高尾山に温浴施設を建設すると2012年11月に発表していた同社。当初、今夏の開業を目指して温泉の掘削工事を進めてきたが、「この度、温泉の湧出が確認できた」と同社。湧き出した温泉はアルカリ性単純温泉で、湧出量は毎分300リットル。温度は26.2度で、源泉には「京王高尾山温泉」の名を付けたという。
温泉が湧出したことを受け、同社では建物工事などを本格化。施設は駅前に展開し、敷地面積約3830平方メートル。施設の建築面積は約1080平方メートル、延べ床面積は約1790平方メートルで、鉄骨・2階建て。施設内にはリラクセーションコーナーやレストランなども開設する方針で、2015年春の開業を目指す。「高尾山を登山した後の心身のリフレッシュができるとともに、周辺にお住まいの方が日常的に楽しめるような施設を目指す」とも。
温浴施設の開業に合わせ駅舎もリニューアル。デザインは建築家・隈研吾さんが手掛け、「高尾山の玄関口としてふさわしい『観光地らしい』『わくわくする』 雰囲気をもった駅舎へと生まれ変わる」と担当者。八王子市と協調して、駅横にある観光案内所を駅舎内へ移設させるほか、駅前広場のリニューアルも行う。
市でも駅周辺のリニューアルに合わせて、駅前広場と国道20号を結ぶ「西氷川橋」の補強・修景工事など新たな取り組みを行う予定。「高尾山は年間300万人が訪れる本市最大の観光資源」と石森孝志市長。今回の事業を通して、「高尾山周辺の魅力がさらに向上し、より多くの方々の来訪や満足度向上につながるものと大いに期待している」と話す。
高尾山口駅は1967(昭和42)年10月に開業。高尾山への「玄関口」としても知られる。昨年度の1日平均乗降客数は1万391人。