八王子市内の飲食店や菓子店などと地元農家がコラボし「八王子野菜応援プロジェクト」を立ち上げ、5月30日まで八王子産野菜を使った商品開発を目指して、クラウドファンディングを実施している。
サーチフィールド(東京都渋谷区)が運営し、八王子の産業活性化組織「サイバーシルクロード八王子」(八王子市明神町2)が主催する、地域型クラウドファンディングサービス「FAAVO(ファーボ)八王子」の第1弾プロジェクト。地元で採れた野菜を地元で消費し街の活性化を目指す「地産・地消・地活」をコンセプトに、4月から開始。今回は大ショウガを使った商品開発を目指しており、ファンディングの締め切りを前に目標額である100万円の95%を集めるなど話題となっている。
大ショウガを育てるのは、横浜線・八王子みなみ野駅からも近い小比企町で今年、新規就農した「アーバンファーム八王子」の続橋昌志社長と取締役の泉政之さん、水野聡さんの3人。地元のベテラン農家・中西忠一さんの協力を得ながら、4月下旬に植え付けを終えたところで、収穫後は菓子店の青木万年堂(寺町)や日本茶専門店「茶山」(横山町)、居酒屋「けいの家」(明神町)などがショウガを使った商品を開発。秋ごろに「収穫試食会」を開催する計画を立てている。
「市内の飲食店など直接顔が見えるところと商売がしたい」と自ら畑に立つ続橋さん。「今年は皆さんに試食していただいて、それによって来年どのくらい作り込んでいけるか考えたい」。農商工連携をテーマに据え、「今までは生産者は生産者で独自でやっていて、市内にはいろいろな店があるが結び付きが希薄だったと感じる。街というくくりで一緒になってやれれば」と期待を込める。
当面はスキルアップを図り、農業で独り立ちするのが目標。「まずはしっかりとしたものを作りながら、われわれの作物を地元で加工されている皆さんにお届けして、付加価値を付けた名物が作れれば。『こんなものが欲しいから作ってくれないか』といったようなコミュニケーションが取れるようにやっていきたい。相談できる生産者になれれば」と泉さん。
水野さんは「野菜は新鮮なのがおいしい。八王子は農地がいっぱいあって、農家がいっぱいいる。東京の野菜は民家が近いから、みんな農薬の使用を控えていて、そういう意味でも安心なので、地場野菜を食べていただきたい。八王子産の野菜をもっと知ってもらうことに力を入れていきたいし、地産地消を進めることが今後の日本にとっても良いのでは。そういうモデルになりたい」と話す。
続橋さんは「八王子は都内で一番の農産地」とした上で、「都会の田舎のようなところでできた野菜はおいしいと思う。それをぜひ市民の皆さんに味わっていただきたい」と意気込む。
クラウドファンディングは、2,000円、3,000円、5,000円、1万円、3万円の5つのコースを用意。詳細は「FAAVO八王子」のプロジェクトページに掲載されている。