工学院大「ソーラーカーレース」グランドチャンピオンに 秋田・大潟村の大会で大会新記録樹立

グランドチャンピオンとなった工学院大学「ソーラーチーム」

グランドチャンピオンとなった工学院大学「ソーラーチーム」

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 工学院大学八王子キャンパス(八王子市中野町)に拠点を置く「ソーラーチーム」が8月12日、秋田県大潟村で行われていたソーラーカーレース「ワールド・グリーン・チャレンジ2016」でグランドチャンピオンに輝いた。

総周回数51周の大会新記録を達成してゴールした瞬間は、メンバー全員で喜んだ

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 今月9日から大潟村ソーラースポーツライン(秋田県大潟村)で行われた同レース。1周25キロのコースを3日間、24時間走って総走行距離を競う。同チームは今年から新設された、ドライバーと搭乗者の2人でソーラーカーに乗る「クルーザークラス」に参戦した。

 今大会では、昨年、オーストラリア大陸約3000キロをソーラーカーで縦断する「ワールド・ソーラー・チャレンジ(WSC)」で使用したソーラーカー「OWL(アウル)」をブラッシュアップ。学生35人でキャンプを行いながらレースに挑んだ。

 レギュレーションの関係から、WSCよりもバッテリーは4分の1に減少。さらに、米を10キロ積んだ上で、ドライバー交代の際にはその米を積み替える必要があるなどハードなレースとなったが、1日目は1周を25~30分程度で走り、15周を走って総合順位1位を記録した。

 2日目は、30分間車を止めてプレゼンテーションを行う「メディアストップ」がありながらも、前日よりもラップタイムを早め18周を走行、1位をキープした。最終日も順調に周回を重ね、レース終了時点では、2005年に「芦屋大学 Sky Ace TIGA」が記録した最多周回数である50周を超え、大会新記録となる51周を達成。グランドチャンピオンに輝いた。

 「最後のラップではバッテリーが空っぽの状態だった」とエネルギーマネジメントを担当した、レース責任者で同大機械工学専攻修士1年の金城義樹さん。戻って来られなかった場合は周回数から減点されるため、「優勝を狙いに行くのか、周回数の大会新記録を狙うのかで迫られた。取れれば大会新記録、そうでなければ総合優勝すら逃すという大きな賭けだったが、どちらもうまく勝ち取れた」と振り返る。

 レース中はバッテリーの残量をはじめとした数値という見えない相手と戦った。「実際にドライバーとして乗って状況を見てはいないので難しかった。(2日目に)パンクがあったが、チームのみんなが即座に的確に、正確に対応できたのはよかった。来年はWSCが開催されるので、そちらの方でも優勝を狙っていきたい」と意気込む。

 チーム初の女性ドライバーとして今大会に参戦し、最後のドライバーも務めた工学部1年の石川はるかさんは「歴代でトップの周回数で帰ってこれたことはうれしい。最後の1周はコックピットの中では『どうしよう』と騒いでいたが、最後に『いける』となって、ゴールまで向かえたことはよかった」と話す。

 地面のひび割れや枯れ葉などをうまく交わし、パンクを防ぐよう気をつけたという。レース中は砂ぼこりがひどく、「降りるとせきが止まらないような状態だったが、コックピットの中は快適だった。来年もドライバーに選ばれたら、チームのために頑張りたい」と意欲を見せる。

 今回の結果に代表を務める同大機械システム工学科の濱根洋人准教授は「クルーザークラスで総合優勝を取れたことは国内初だと思う。いろいろハンディがある中で、51周という周回数を出せたことは非常にうれしい。大学での宿泊を入れて、6泊7日間、来年のWSCを想定して進めたので、オーストラリアでは世界を相手に秋田での修業の結果を生かしたい」と力を込める。

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