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工学院大、秋田・大潟村のソーラーカーレースに参戦 チーム初の女性ドライバーも

8月9日から始まる大会に向けて準備を進めているチームメンバーとソーラーカー「OWL」

8月9日から始まる大会に向けて準備を進めているチームメンバーとソーラーカー「OWL」

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 工学院大学八王子キャンパス(八王子市中野町)に拠点を置く「工学院大学ソーラーチーム」が、8月9日から秋田県大潟村で行われる国内大会「ワールド・グリーン・チャレンジ(WGC)」への参戦に向け準備を進めている。

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 昨年はソーラーカーでオーストラリア大陸約3000キロを縦断する「ブリヂストン・ワールド・ソーラー・チャレンジ(WSC)」に参戦した同チーム。実用車に近いレギュレーションが設定されている「クルーザー・クラス」で、新型ソーラーカー「OWL(アウル)」を投入、クラストップでゴールするも優勝を逃す波乱の結果となった。

 今回参戦するWGCは大潟村ソーラースポーツライン(秋田県大潟村)で開催。1周25キロのコースを3日間、24時間走って総走行距離を競うもので、前回参戦した2014年大会では、ソーラーカー部門「チャレンジャークラス」で11周を走り、チャンピオンのほか、部門優勝、クラス優勝、大潟村長賞など各賞を手にしている。

 今回はクラス替えし、ドライバーと搭乗者の2人でソーラーカーに乗る「クルーザー・クラス」に参戦。WSCを走った「OWL」をチューニングし大会に挑む。

 レギュレーションの関係から、WSCよりもバッテリーは4分の1に減少。さらに米を10キロ積み、ドライバー交代の際にはその積み替えが必要なことから、レース本番に向けて対策を進めている。「車輪に掛かる荷重から計算し直し、どこに米を置くかも研究している」と代表を務める同大機械システム工学科の濱根洋人准教授。「今年も総合優勝を目指したい」と目標は高く置く。

 新入生を含め現在では約200人のメンバーを抱える同チーム。名称もこれまでの「ソーラーカープロジェクト」から、「ソーラーチーム」へと変更。「大学名を強調したかったのと、チームで掲げている『後輩と先輩の和』という目標から、車だけでなく人ももっと重視しようということで、あえて『カー』の文字を取った」という。

 大会期間中は、チームメンバー35人がキャンプを行い、生活をともにする。7泊8日にもなるため、「献立を考えるのが大変」とキャンプ班を担当する同大修士1年の勝田翔大郎さん。「食事は活動していく上で一番重要なもの。最高で楽しいキャンプにしたい」と気合を入れる。

 今大会では、学部2年生の石川はるかさんをチーム史上初の女性ドライバーとして起用するなど新たな取り組みも行う。「日頃から車、しかもハイブリッド車を運転しているというので、燃費や回生ブレーキの使い方などにも長(た)けているのでは。期待している」と濱根准教授。

 「もともと車の運転が好きで、やってみたいという気持ちから入った。ソーラーカーはまだ運転したことがないし、秋田のコースは悪路が多いと聞いているので、日頃のドライブの技術を取り入れながらうまく走りたい」と石川さん。「海外では女性ドライバーが多くいる。その人たちに引けをとらないようにしたい」と意気込む。

 チームの目は既に来年開催されるWSCを見据えており、今大会も「来年への訓練という部分がある」と濱根准教授。「学生たちは倍速で成長している。失敗や悩むことはあると思うが、乗り越えた後の成長はすごい。秋田の大会が終わった後、どのように成長するか楽しみだし、最後までやり遂げてもらえれば」と期待を込める。

 レースは8月12日まで。

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