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JR東日本が来春に運賃改定 「電車特定区間」廃止で大幅値上げも

JR東日本は駅構内にポスターを出し、運賃改定の申請をアナウンスしていた

JR東日本は駅構内にポスターを出し、運賃改定の申請をアナウンスしていた

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 JR東日本が8月1日、運賃改定を2026年3月に行うと発表した。

「電車特定区間・山手線内」のエリア

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 同社は昨年12月6日に国土交通大臣宛てに鉄道事業法に基づく鉄道事業の旅客運賃上限変更の認可申請を行った。8月1日に申請通り認可された。

 今回は同社管内全エリアで運賃改定を行う。改定率は普通旅客運賃=平均7.8%、通勤定期=同12.0%、通学定期=同4.9%。初乗り運賃は150円(交通系ICカード=147円)から160円(同155円)に変わる。

 山手線や中央線の東京~高尾間、青梅線、五日市線、横浜線など首都圏を走る路線に設定している「電車特定区間・山手線内」の運賃区分は一部を除き廃止し、「幹線」の区分に統合する。これにより東京圏は普通運賃の改定率が電車特定区間で10.4%、山手線内で16.4%と値上げ幅が大きくなるという。

 例えば、現行の運賃が500円(同492円)の東中野、中野、高円寺、阿佐ヶ谷~八王子間はそれぞれ電車特定区間でなくなり、620円(同616円)へと値上げになる。新宿~日野間、新宿~豊田間も電車特定区間ではなくなるが、新宿~八王子間は電車特定区間として継続し、それぞれ620円(同616円)にする。

 通勤定期運賃、通学定期運賃も同様の措置が取られる。通勤定期の場合、新宿~八王子間で1カ月の運賃が1万4,970円から、1万8,720円に変わる。

 同社は1987(昭和62)年の会社発足以降、消費税率の改定や法令に基づく「鉄道駅バリアフリー料金」の設定以外は運賃水準を約40年間維持してきたとしたうえで、人口減少や少子高齢化、物価高騰などに加えて、多様化する客のニーズや老朽化した車両・設備の更新、災害対応、カーボンニュートラルなどへの新たな取り組みなどに対し、「必要な資金を安定的に確保することが、当社の経営努力のみでは困難な状況になっている」と説明する。

 「電車特定区間・山手線内」の区分廃止について、同社は「国鉄時代に『競争力のある運賃設定を目的とした首都圏の運賃抑制策』として設定されたが、現在ではほかの鉄道事業者との運賃格差が逆転または縮小している」と説明。今後も設備投資が必要なエリアでもあることから見直したという。

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