今秋竣工予定の新しい「八王子市民会館」(八王子市子安町4)の舞台に設置するどん帳デザインが、1月1日発行の市の広報紙を通して市民に公表された。
現在の市民会館は1963(昭和37)年に上野町に開館。席数は1,870席で、コンサートをはじめとしたさまざまなイベントに使われている。新会館は八王子駅南口に建設中の再開発ビル「サザンスカイタワー八王子」に入居。地上41階中、4階~10階のフロアを使用し、延べ床面積は約1万7,300平方メートルにも及ぶ。
新しい舞台は幅43メートル、奥行き20メートルで、クラシックコンサートからイベントまでさまざまな目的に使える「多目的ホール」として機能。客席は1階席から3階席まで合わせて約2,000席。このうち、2階・3階のバルコニー席は舞台に接する囲み形式を採用し、より豊かな臨場感を得られるよう工夫する。
新会館ではエグゼクティブプロデューサーに、世界を舞台に活動する指揮者の西本智実さんの就任が決まっており、開館から3年をかけてクラシックやオペラ、バレエなどさまざまな要素を取り入れた舞台芸術を行う「西本智実プロジェクト in 八王子」が行われることになっている。
市では昨年11月にどん帳デザインを決定する投票を実施。3つの候補に対して、市民などから約450票が寄せられた。このうち、有効と認められた約340票を対象に集計したところ、「彩都ものがたり」と名付けられた作品に票が集中。検討会を経て、正式なデザインとして決まった。
「八王子の伝統の織物のイメージの中に、ユリを抽象化したダイナミックなデザインであること、赤を基調とした華やかな色合いであることなど、市民の真剣な意見がほとんどだった」と市南口再開発推進室の担当者は振り返る。