ケーブルテレビ局・八王子テレメディア(八王子市旭町)で現在、八王子周辺の大学などが参加するプロジェクト「八王子未来学」をテーマにした番組「まるごとキャンパス八王子」が放送されている。
同プロジェクトは文部科学省が2008年度に採択した「戦略的大学連携支援事業」の一つ。東京工業高等専門学校(椚田町)が代表を務め、工学院大学、創価大学、拓殖大学、多摩美術大学など、八王子周辺の14の大学などが参加している。地域が抱える問題にスポットを当て、その解決に向けた研究を行っており、今回、これまで行ってきたさまざまな取り組みをベースに、「分かりやすく、かつ幅広く発信するためにケーブルテレビの番組を制作することにした」と同校一般教育科の浅野敬一准教授。
プロジェクトのテーマは「八王子を学ぶ、八王子で学ぶ」。「学生が学ぶ場は教室の中だけでなく、フィールドワークや企業訪問とさまざま。幸い八王子は学生が外に飛び出すには最適な環境」と浅野さん。しかし、そのためには、市民に活動を理解してもらう必要があるという。「通常は論文を介して発信される研究成果をテレビ番組という気軽で分かりやすい形で地域に還元することを目指している」。
番組は同プロジェクトが立ち上げている地域産業振興、自然・環境・観光、教職員の能力向上など、さまざまサブプロジェクトに沿うかたちでコンセプトを決定。同校と明星大学による「進む八王子の国際化」を皮切りに、11校が参加して計5本を制作した。地産地消や環境改善などに加え、同校と創価女子短期大学が共同でプロジェクトを進めているロボットの話題など、内容は多岐にわたる。
初回分は今年2月から3月末にかけて放送された。「ホームページのアクセス件数が増加し、プロジェクトに参加したいとの電話もいくつかあった」と浅野さん。これを受け再放送が決まった。今後は「他のメディアとの連携や学生・教職員の地域での活動を含めて、大学などへの関心を高めていく」という。
番組は毎日放送されており、月曜・水曜・金曜=20時~、火曜・木曜=22時~、土曜=20時30分~、日曜=18時~。毎月1日、15日に内容が差し変わる。放送は6月30日まで。