8月6日から始まる多摩地区最大の山車(だし)まつり「八王子まつり」を受け、東京工科大学(八王子市片倉町)に通う学生らを中心に、ツイッターやユーストリームを使って、その模様を中継する企画「八王子MATwitter!(まついったー)」の準備が進められている。
もともとは、ツイッター上のハッシュタグ「#hachioji」に集う人々のつぶやきから生まれたアイデア。ツイッター利用者が集まる目的で今年3月から行われているオフ会「八王子 Tweetup!(ツイートアップ)」の場でも話題になったことから、ソフトウエアの企画・開発などを行い、ツイッターのタイムラインを表示する無償ソフト「TwitSignage(ツイットサイネージ)」を開発するMOBWAYS(八王子市新町)の尾崎啓社長が、自身の出身大学でもある東京工科大学の学生たちに働きかけて、話しが動き出した。
「祭りの期間中は音楽などもあり、スピーカーを通したお知らせなども聞こえにくい」と今回の企画に協力する尾崎さん。「混雑状況やそれぞれの場所での感想などをその場でツイートしてもらえば、それが画面に流れる。文字情報であるツイッターが生きるのでは」とも。
計画では、祭りに合わせて、市民や当日八王子を訪れる観客など、さまざまな人に「#802maturi」のハッシュタグをつけてツイートをしてもらう。そのツイートは「TwitSignage」を使って、市内7~8カ所の商店などに置いた特設ディスプレーで表示。祭りを、画面を通して体験できるようにする。現在、おにぎりカフェ「なごむすび」(横山町)やカトウ洋品店(八日町)などの協力を得て、ディスプレー設置の準備を進めている。
学生たちは期間中、パソコンやカメラを抱えて実際に街に出向き、街の様子や山車が出発する模様、山車の上からの動画などを、ユーストリームを通じて中継する計画も立てている。祭りのメーン会場となる国道20号(甲州街道)沿い「八日町交差点」付近にウェブカメラを固定で設置することも検討しており、これらの模様はツイートとともに特設ディスプレーで配信する方向だという。
ツイッターユーザーからの投票を通して、八王子まつりのハッシュタグ「#802maturi」を決めるところから、八王子の商店街を巡り、商店への協力要請や告知ポスター・ビラの制作など、現在、学生たちは当日に向けて準備に追われている。「八王子まつりに新しい歴史を刻み込むプロジェクトを行うことができて感激している」と今回のプロジェクトのリーダーを務める同大学コンピュータサイエンス学部4年生の菊池さん。「ツイッターを通じて八王子まつりを、日本だけでなく世界中に広めていきたい」と意気込む。