中央大学（八王子市東中野）は6月13日、アップル社の教育向けコンテンツ配信サービス「iTunes U」で地元ケーブルテレビ局と共同制作する教養番組などの配信を開始した。

　「iTunes U」はアップルが展開するサービス「iTunes Store」内に設けられた大学、研究機関など向けのエリア。2007年から運用されており、昨年8月に日本・中国・香港・メキシコ・シンガポールの4地域からのコンテンツの追加の際には、東京大学、慶応大学湘南藤沢キャンパス、明治大学、早稲田大学の4校が参加。講義のほか、公開講座や大学紹介などの映像コンテンツを配信している。

　「いつでも、どこでも、なんでも学ぼう。」をコンセプトに800以上の大学が参加する同エリア。「中央大学としても日本に導入されれば、少なくとも広報室で制作している番組については配信したいと以前より参加を考えていた」と同大学広報室広報副課長の五十嵐さん。「幸いなことに本学では既に2001年度から『知の回廊』という教養番組を制作していたので、これらの番組をメーンコンテンツにしたいと考えた」

　「知の回廊」はケーブルテレビ局・八王子テレメディア（旭町）と共同制作する番組。教員や学生が取り組んでいる課題や話題について毎回テーマを決めて紹介するもので、八王子市、多摩市、日野市といった大学の近隣地域など現在、全国40局以上のケーブルテレビ局で放送されている。

　「法律学や経済学などを含む社会科学、心理学、言語学、社会学、文学、歴史学、理工学などさまざまな分野の番組を制作しており、分野ごとに注目の番組がある」と五十嵐さん。これまでに制作された80本以上の番組のうち、現在は2001年に放送された「宮沢賢治の故郷を訪ねて」から昨年放送された「やわらかすぎる日本語 ～日本語の光と影～」までの51本を配信している。

　同チャンネルでは、FLP松野良一ゼミの学生が制作し、ケーブルテレビ各局で放送されている番組「多摩探検隊」や大学紹介、駅伝など「スポーツ・キャンパスライフ」などのコンテンツも配信。10月以降には法学部の講義の模様をまとめた「学びの回廊」なども公開する予定。「今年は法学部の授業のみだが、次年度からは他学部も加わって本数、更新頻度ともに上げていく」

　「知の回廊」は年6本、「多摩探検隊」は月1本のペースで更新する方針。