京王電鉄は3月11日、京王線・京王井の頭線で全列車を対象とした緊急停止訓練を行う。
昨年11月、登録した利用客向けに列車の運行情報を携帯電話のメールで知らせるサービスを開始するなど、緊急時の対応を強化してきた同社。東日本大震災の発生以降には、被災時対応の基となる事業継続計画(BCP)の見直しも進めており、「帰宅困難者への対策などについて検討を進めている」と同社の広報担当者。
訓練については、震災から1年が経過することを受け、「地震発生時の被害を最小限にとどめるために行う」。災害発生時の初期対応などについて確認を行うもので、全ての列車を止めるような訓練は今回が初めて。
当日は日本の観測史上最大となるマグニチュード9.0を記録した「東北地方太平洋沖地震」の発生時刻である14時46分に訓練を実施。走行している列車だけでなく、駅のホームに止まっているものも含め全列車が対象となる。
訓練の際には停車前のアナウンスは実施せず、通常通りブレーキをかけた後に車内放送で乗客に対して訓練で停車していることを紹介。停車から約30秒後には順次運転を再開し、車外への脱出訓練などは行われない。訓練によるダイヤへの影響もないという。
実施にあたり、同社では駅構内や車内放送、ホームページなどで告知を展開。京王線の終点に当たる京王八王子駅では、改札口横に告知のボードが出され、「東日本大震災の経験を踏まえ、地震災害の風化を防止すると共に、地震発生時の被害を最小限にとどめるため」と利用客に理解と協力を求めている。
同様の訓練は都営地下鉄や東急電鉄、相模鉄道、西武鉄道などでも行われる予定。