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八王子の専門学校生、ボックスカートレース出場へ-3カ月かけて開発

レースに出場するメンバー。時計回りに教員の岡谷さん、学生の太田さん、反後さん、水野さん。

レースに出場するメンバー。時計回りに教員の岡谷さん、学生の太田さん、反後さん、水野さん。

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 トヨタ東京自動車大学校(八王子市館町)の学生が現在、葛西臨海公園(東京都江戸川区)で行われるボックスカートレース「RED BULL BOX CART RACE」の出場に向けた準備を進めている。

自分たちで設計し組み上げた車体

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 同校は1954(昭和29)年に設立されたトヨタ自動車系列の専門学校。自動車整備士やメカニックなどを養成している。同レースは2001年から世界各地で開催。日本では2009年以来2回目。全長4メートル、幅1.5メートル、高さ2メートル以内の動力を持たない創作カートによるレースで、今回は約60チームが参加。カートの性能、オリジナリティーだけでなく、チームで見せるパフォーマンスも審査の対象となる。

 参加するのは同校1級自動車科1年の反後(たんご)さんを中心とした「TEMEスーパーメカニック!!」。テレビCMをきっかけに開催を知り、「取り組む過程の中で自分たちのチームワークやレベルアップが図れると思った」と反後さん。昨年12月にプロジェクトを立ち上げ、「何か面白いものがあるよ、優勝するとF1が見られるらしいよ、と周りに声を掛けていった」と話す。

 書類審査を通過したことを受け、1月半ばごろからカートの開発に取り組み始めた。作業は放課後や休日がメーン。「とにかく時間がなかった」と反後さん。時には自宅に持ち帰って作業を続けた。「本業は勉強なので『抜かりなく』と心掛けてきたが大変だった」と振り返る。

 「80キロ以内という制限があるので、できるだけ軽くするようにした」と設計に携わった同科1年の太田さん。車体は自分たちで溶接して組み上げ、タイヤは車いすで使われている片持ちの車輪を採用するなどメンテナンスも考慮。ボディーにはエンジンをデザインした木製の模型を設置し、ピストンを細かく再現するなど自動車を専門に学んでいる強みを生かした。

 当日はスタート前に30秒間のパフォーマンスタイムが用意されるが、「お客さんにも盛り上がってほしいので、ピストンを頭にかぶって踊ろうかと思っている」と反後さん。「音楽も流せるので、自分たちでオーバーホールしたエンジンの音を流す」とも。

 「限られた状況の中でいかにやるか、段取りができていないといけないということを痛感した」と反後さん。太田さんも「意見がまとまらなかったとき、いろいろ話しあってまとめ上げる力がついた」と話す。就職活動をしながらの参加となった同科1年の水野さんは「与えられた役目をちゃんとやらないとうまくいかないということは勉強になった」と振り返る。

 「トヨタ自動車のほうでも物作りを大事にしているので、学生にはこういう経験をいっぱいさせたい」と担任として学生たちをバックアップしてきた同校教員の岡谷さん。「これからも学生の気持ちを大事にし、力を貸していければ」と意気込む。

 イベントは3月17日に開催。12時から。

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