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カーボン素材のiPhoneケース、八王子の精密切削加工業者が開発・販売

7月20日から販売を始めたオリジナルiPhoneケースを持つ内野さん

7月20日から販売を始めたオリジナルiPhoneケースを持つ内野さん

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 精密微細加工などを行うナラハラオートテクニカル(八王子市楢原町)は7月20日から、カーボン素材を使ったiPhone 4・iPhone 4S向けオリジナルケースの販売を始めた。

過去には金属板にQRコードを削ったことも

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 同社は1972(昭和47)年設立。加工機を使った精密切削など主に企業向けに事業を展開しており、一般向けに商品を開発、販売するのは今回が初めてとなる。

 展示会などの場で自社の技術をアピールしようと、3、4年前から金属板を削って作り上げた作品を発表している同社。地形図の等高線から富士山の姿を削り出した作品や自社を紹介するQRコードを金属板で表現するなど、さまざまな取り組みを展開している。昨春にはアルミから作り上げたiPhoneケースも開発。しかし、「B to Bが基本の商売のためノウハウもチャネルもなく、販売できなかった」と社長の内野さん。

 今回、あらためて「自分が欲しいと思うiPhoneケース」をテーマに開発。素材は重さを感じるアルミから、釣りざおやゴルフのシャフト、自転車のフレームなどに使われている炭素繊維強化プラスチックに変更。軽さを追求したモデル「Light weight type」では、1セット約16グラムという重量を実現した。

 型枠による成形ではなく、超高圧水によるウオータージェット加工機を使ってカーボンをそのまま削り出している点が特徴。「素材の持つ個性や荒々しさを出すには削るのが一番」と内野さん。このためデザインも「削っている感じ、手に刺さる感覚が出せるようにこだわった」と話す。客からの反応は上々で、「こんなiPhoneケースは見たことがない」などの声が寄せられているという。

 ケースを構成するパーツはユーザーによる組み合わせが可能。表面を艶有りにするかどうかなどに加え、ねじの種類も選択できる。組み合わせは全部で80パターンを数え、「素材そのものの機能美。飾らなくても美しいものにできた」と内野さん。

 商品化に当たってはパッケージも自らデザイン。端材を使ったキーホルダーを付属品として付けるなど、ユーザーに楽しんでもらう工夫にも力を入れた。「今までは業者相手だったので手に取る人のことをあまり考えたことがなかった」と振り返る。パッケージのデザインや告知などノウハウのない作業も多いが、「これまでできなかったことをやることで、できるようにしていくことも一つの課題」と捉えている。

 今後は発表がうわさされている「iPhone 5」や、そのほかのスマートフォン、タブレット向けの商品も狙っており、タブレットに取っ手付きケースを提供することで周囲にフォトフレームを見せながら持ち歩けるようにするアイデアなどを膨らませている。内野さんは「事業の軸はこれまで通り変わりない。一般のお客さま向けの商品を通して情報発信することで、普通の加工屋とは違うという印象を与えられれば」と意気込む。

 1セットの価格は1万6,800円。パーツも含めて、同社オンラインショップで販売する。

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