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空き缶でできた人工衛星、空中放出実験-打ち上げ本番前に最終調整

バルーンから放出され、パラシュートを開いて下降を始める「缶サット」

バルーンから放出され、パラシュートを開いて下降を始める「缶サット」

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 首都大学東京日野キャンパス(日野市旭が丘)で8月10日、同学の学生も参加して行われている「缶サット・リーダー・トレーニング・プログラム」を通して製作された人工衛星の空中放出実験が行われた。

実験に向けて「缶サット」の準備を進めている様子

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 首都大学東京とNPO法人「大学宇宙工学コンソーシアム」(文京区)が主催する同プログラム。「缶サット」は約350ミリリットル以下の缶のサイズに収めた超小型模擬人工衛星。今回はイスラエル、トルコ、ナイジェリアなど9カ国、10人の物理学や宇宙工学などに携わる研究者、教育者が研修員として集まり、7月17日から約1カ月にわたって開発技術などについて学んできた。

 実験は8月17日から行われる「能代宇宙イベント」での打ち上げを前に、最後の実験として行われたもの。当日は13時ごろからキャンパス内のグラウンドで実施。これまで製作してきた「缶サット」を持ち寄り、ヘリウムガスを詰めたバルーンに取り付けた後、上空で放出させた。

 風が強かったこともあり、バルーンから離すまで時間がかかったケースもあったが、「缶サット」が無事地面に着地すると周囲からは大きな拍手が上がった。実験を待つ間は研修員とメンターとして参加している同学の学生がサッカーやフリスビーで楽しむなど、終始和やかなムードの中、進められた。

 「最初は順調に進んでいたが、システム面などで四苦八苦していたところがあるので、皆さん無事成功してかなりうれしい」とメンターとして参加する学生。この1カ月を「あっという間だった」と振り返ったうえで、「今回の参加者の方々はみんな親切。僕たちのこともよく理解してくれて楽しくやってこられた」と話す。秋田での打ち上げでは、小型モデルロケット等に搭載して上空に放出、その後パラシュートで降下させる形になる。「やるしかない。やってやるぞという感じ」と意気込む。

 「能代宇宙イベント」は、秋田経済新聞などが後援し秋田県能代宇宙広場(能代市)で開催。会期は今月17日~23日。

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