八王子市夕やけ小やけふれあいの里(八王子市上恩方町、TEL 042-652-3072)で1月20日、地域の伝承行事を模した「どんど焼き」が行われた。
どんど焼き(どんどん焼き)は毎年の「小正月」に日本各地で行われる祭りの一つ。正月の門松や書き初めで書いた習字、お札、祈願が達成された「だるま」などを持ち寄り、火をつけてたき上げる。
同園がある恩方地区には竹や縄で作った「セエノカミ」に正月飾りなどをまとめて火をつけ、その火で「メーダマ」と呼ばれる団子を焼く市指定の無形民俗文化財の伝承行事「上案下(かみあんげ)のセエノカミ」がある。イベントはこの行事を再現したもので、2000年から毎年行われており今回で13回目。
今年は東京スカイツリーを模した「セエノカミ」を用意。高さ20メートル、直径2メートル、重量3トンにもなった。「星ふる広場」に詰め掛けた約700人が見守る中、「セエノカミ」に火がつけられると会場は歓声に包まれた。「その火で焼いて食べると風邪をひかないといわれ、皆さまと無病息災を祈る」と同園担当者。来場者は手渡された「まゆだま」をセエノカミの炎で焼いて食べた。
当日は石森孝志八王子市長も参加。「毎年どんどん上に伸びている『セエノカミ』のように、八王子市は今年、さまざまな物事で多摩地域ナンバーワンを目指す」と、あいさつで述べた。
同所は宿泊施設やキャンプ場を備える市のレクリエーション施設。農林業体験ができるほか、西東京バス(明神町3)から寄贈された都内最後のボンネットバス「夕やけ小やけ」号、同所の近くに生家がある童謡「夕焼小焼」の作詞家・中村雨紅に関する資料なども展示している。