八王子の「田町遊郭跡」などを巡って街の文化に触れる「東京にしがわ大学」(事務局=TEL 090-8105-8434)のキャンパスツアーが5月12日に行われる。
「にわ大」の愛称で知られる同プログラム。今回は街の魅力を味わう「キャンパスツアー」を5月の1カ月をかけ、多摩地区30市町村全てで集中的に開く。
八王子は、若手デザイナーユニット「TRICKY(トリッキー)」(八王子市子安町1)の代表を務める中村文子さんがガイドを担当。「多摩地域最大の遊郭跡地『田町』を着物でおさんぽ」をテーマに掲げ、ツアーを行う。「八王子は絹の街ということもあり、着物を着て最近ではアートで盛り上がっている田町を歩いてもらいたい」と中村さん。
田町は八王子駅から徒歩15分、浅川の南岸に当たる場所。売春防止法の施行で廃止されるまで約60年にわたって「八王子遊郭」として一時代を築いた。現在でも片側1車線、幅員18.43メートルの幅広い通りが東西方向に150メートルほど続いている箇所があり、遊郭が立ち並んでいたころの名残を随所に見ることができるほか、2011年秋からはアートプロジェクト「18.43」も立ち上がり、地域住民とアーティストなどが連携したまちづくりが進められている。
今回、田町地区にフォーカスを当てたことについて、「遊郭跡地が八王子にあることを知らない人も多い」と中村さん。その上で、「今までの八王子とこれからの八王子を感じていただくためには田町がいいと思った」と話す。
当日はカレー店「インドラ」(本町)で昼食を済ませた後、和装を扱う「きものの西室」(横山町)で着付けやヘアメークを体験。八王子の文化や歴史を学んだ後、実際に田町地区を訪れて記念撮影を行う。所要時間は約6時間。「プロの着付けにプロのヘアメーク、プロのカメラマンが写真を撮るという普段できないことを皆さんに体験していただきたい」と中村さん。「女性には特に満足できる内容になっていると思う」とも。
同大は多摩地域をターゲットにする生涯教育プログラム。土曜・日曜を中心に多摩地域の各地をキャンパスと見立てて授業を行っており、誰でも自由に参加できる。
参加には事前の申し込みが必要。定員は4~5人で、応募者多数の場合は抽選となる。無料。