JR東日本は2月4日、中央線特急列車の新型車両「E353系」の量産先行車を製造すると発表した。
中央線特急「あずさ」「スーパーあずさ」で使われる同車両。今回は、1994年にデビューした現行「E351系」の老朽化を受け、その車両取り換えを前に性能評価や技術検証を行おうと先行車の開発を決定。基本編成9両、付属編成3両の12両を製造する。
新型車両の定員は、基本編成でグリーン車=30人、普通=502人。付属編成は普通=154人。これまで鋼製だった車体にはアルミ合金を採用。走行中の振動を低減する「動揺防止装置」を一部の先頭車とグリーン車に搭載することで乗り心地の向上なども目指しながら、最高速度はこれまでと同じ時速130キロを実現する。
車内空間については、LED照明や空気清浄機を設置するほか、空調を個別吹き出しにし、各座席で風向きと風量を調整できるよう対応。座席にはパソコンが置けるテーブルとコンセントを用意するなど観光だけでなく、ビジネス利用も見込んだ車両に仕上げる。
外観は工業デザイナーの奥山清行さんが率いる「KEN OKUYAMA DESIGN」が担当。「伝承の継承」「未来への躍動」をコンセプトに、「あずさのDNAを引き継ぎながら、日本の中央を走る新時代のダイナミズムを表現する」と同社広報部担当者。「観光・ビジネスユースに対応したデザイン」とも。
新型車両の運用区間は東京~塩尻間の中央本線と塩尻~松本間の篠ノ井線。完成は2015年夏以降を予定。