NHK「八王子発ドラマ」が完成 12月2日に放送へ

「東京ウエストサイド物語」の試写会に臨んだ早見あかりさん(左)と羽田美智子さん(右)

「東京ウエストサイド物語」の試写会に臨んだ早見あかりさん(左)と羽田美智子さん(右)

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 八王子を舞台にしたドラマ「東京ウエストサイド物語」試写会が11月2日、NHK放送センター(渋谷区)で行われた。

主人公・高山峰子を演じた早見あかりさん

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 12月にNHK BSプレミアムで放送される同作品。「アナウンサーになりたい」という子どものころの夢をすっかり封印し就職活動を行うも、どの企業からも内定をもらえないという大学4年生・高山峰子と、突然、主婦卒業を宣言し、「昔から憧れていた芸者になる」と唄や踊り、三味線などの稽古を始める母・晴江ら高山家を中心としたコメディー。多摩地区最大の山車(だし)祭り「八王子まつり」が行われる7月下旬から8月中旬にかけてオール八王子ロケで撮影が行われた。

 試写会には、主人公・高山峰子を演じる女優の早見あかりさんや母・晴江を演じる羽田美智子さん、NHK朝の連続テレビ小説「あまちゃん」を手掛けたことでも知られる制作統括の菓子浩チーフプロデューサーが出席した。

 東京をテーマとした「地域発ドラマ」は今作が初めて。「プレッシャーもあったが、八王子に通い続けて、すごくすてきな街なんだということに気づいた」と早見さん。「八王子まつり」当日に全力疾走で会場となる甲州街道を駆け抜けるシーンを撮影していた所、「頑張って走っていたら、警備員に本気で『走らないで』と怒られた」とエピソードも明かした。

 就活生の役ということで実年齢に近い役柄に、「純粋に21歳だからできる芝居ができたらと参加させていただいた。完成したものを見た時もスピード感があり面白く、最後にちょっと泣ける『笑えて泣ける作品が作りたい』というものをしっかり作れたかなと思う。たくさんの人に見ていただきい」と呼び掛ける。

 大学時代に八王子に通っていたという羽田さんは「(八王子に)板塀の街があって、芸者がいて、三味線の音が聞こえるという異空間があることに驚いた。ちゃんと芸者の伝統が続いているという歴史を感じた」としたうえで、「八王子は東京であって東京ではない。その八王子の魅力をこのドラマで存分に描けたのでは」と話す。

 撮影の1カ月前から芸妓(げいぎ)としての踊りの練習を続けたこともあり「常に一生懸命であることが試されたドラマだった」とも。「一生懸命生きるって素晴らしいし、好きなこと、やりたいことにがむしゃらに向かっていってほしいというミドルエイジのメッセージを込めた作品になっている。見終わった後にすがすがしい気持ちになっていただいて、明日に向かう勇気に変えていただければ」と話す。

 菓子チーフプロデューサーは「八王子というとベッドタウンであるとか、学生の街であるとかそういったイメージしかなかったが、今回、取材してみて、八王子まつりや八王子芸者など古くからの伝統が息づいていることに気がついた。ずっと八王子に通って気づいたのは、街の人がとってもエネルギッシュなこと。非常に熱い街だと思ったので、これはぜひコメディーで八王子の街の勢いを描きたいということで、この本を作った」と振り返る。

 「今年の夏の八王子は非常に暑くて、その暑さに負けないようにスタッフ・キャストが力を合わせて作った。ご覧いただいた方にはそのような熱のようなものを感じていただけたら」と話す。

 作品には、父・謹一を俳優の羽場裕一さん、部屋にこもってフィギュア作りに熱中しているという兄・学は俳優の内野謙太さん、峰子の同級生で八王子を愛するあまりに芸妓の道へと進んだ梅千代役として、女優の趣里さんらが出演。北國三郎太役の歌手で八王子観光大使もある北島三郎さん、三郎太の娘役・北國潤子役を演じる、北島三郎さんの三女で歌手・女優の水町レイコさんのほか、置き屋「はち乃喜」のおかみを「ゆき乃恵」(八王子市中町)のめぐみさんが演じるなど八王子と関わりの深い人たちも多数出演する。

 ドラマは12月2日22時から放送される。

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