工学院大学八王子キャンパス(八王子市中野町)に拠点を置く「ソーラーチーム」が1月24日、今秋行われる「ブリヂストン・ワールド・ソーラー・チャレンジ(WSC)」に参戦することを発表した。
チームメンバーと2015年の大会でオーストラリアを走ったソーラーカー「OWL」
WSCはオーストラリア北部のダーウィンから南部のアデレードまでの約3000キロを走破する世界最大のソーラーカーレース。2年ごとに行われており、今年で13回目。10月8日~15日の日程で、「チャレンジャークラス」「クルーザークラス」「アドベンチャークラス」の3つのクラスで争われる。
同チームは2013年に初参戦。2015年はより実用車に近いレギュレーションが設定されている「クルーザークラス」に挑戦し、クラス最速でゴールを果たしたものの、その他の採点ポイントで最終的な順位が2位に。優勝を逃す波乱の結果となった。
昨夏、秋田県大潟村で行われたソーラーカーレース「ワールド・グリーン・チャレンジ2016」では、WSCを見込んで、大会期間中キャンプを行いながらレースを進めるなど参戦に向けた準備を進めてきた。今大会では、全学部学科から200人を超える学生がチームに参加し、さまざまな先端研究に取り組む教員陣もバックアップし全学を挙げて挑む。
「今年は大きなレギュレーションの変更がある年。世界で最も有名なソーラーカーレースの見どころの年と言える」とプロジェクトの代表を務める同大機械システム工学科の濱根洋人准教授。2015年大会と比べて太陽電池の面積は減少するが、車両寸法の制限などが緩和される。「これまでにない形状や工夫がされたソーラーカーが登場すると考えている。少ない発電量に対し、いかに車両性能を向上させて、オーストラリアの過酷な3000キロを勝ち抜くか。このアイデア勝負に挑戦する年になる。チームは毎日奮起している」とも。
前回は準優勝となり、「とても悔しい気持ちだが、レースでは決して負けてはいないというチームの思いがある。多数の新入生が加入し、全学の教員からの指導を頂くなど体制を強化し、さらに先端技術を持つ多くのサポート企業と外部アドバイザーからの協力を受け、総力戦で挑む。ストイックに勝利を目指して、世界と勝負したい」と意気込む。
チームでは、6月にも新車両を公開する方針。