フードバンク八王子(八王子市中町)が6月下旬、市内の子ども食堂や地域食堂の紹介や、開催スケジュールなどをまとめたウェブサイト「八王子食堂ネットワーク」を開設した。
フードバンク事業に加え、就労移行支援事業所「フードバンク八王子ワークス」(中町)も展開する同所。今回は市子どものしあわせ課から市内の子ども支援に関わる業務を受託。子ども食堂や地域食堂を支援する枠組みとして「八王子食堂ネットワーク」を立ち上げ、その窓口となる存在としてサイトを立ち上げた。
サイトでは、同ネットワークに参加している各食堂を地図付きで紹介するほか、食堂が開かれる日をカレンダー形式で公開。企画から携わるフードバンク八王子の國本康浩さんは「いつ、どこで、どのような食堂が開催されているのかが理解できることが重要。民生委員を経由して八王子全域に配布するチラシのデザインも、同じコンセプトになっている」と話す。
行政とも議論を重ねながら今回、ネットワークを構築する。「目的は八王子でようやく生まれ始めた『地域(子ども)食堂活動』の総合的な支援の枠組みを構築すること」と國本さん。フードバンク八王子でも、食堂の活動を行っているグループに食材を提供する形で連携を取ってきたが、「ここに限界を感じたというのが今回のプロジェクトの重要な動機になっている」。市や児童相談所などの行政や社会福祉協議会などの団体、フードバンク、無料塾などを有機的につなぐことで、「この食堂活動が発見的な装置として機能する」とも。
メインターゲットは「子ども」だが、「食事に困っている人」も広く対象とする方針という。國本さんは「今回のプロジェクトでは、ネット、チラシの両方向からアプローチするというのが大きな目玉」と話す。
「まずは、八王子市民の皆さまに地域でこれだけの食堂活動が行われている事実をぜひ知っていただきたい。ぜい弱な基盤で展開している活動を一緒に応援してもらえれば。地域食堂という活動形態には、地域福祉と地域経済の接合という非常に大きな可能性があると思っている。今後少しずつ開拓していければ」と意気込む。