八王子市生涯学習センター(通称=クリエイトホール、八王子市東町)で9月16日、NPO法人「スポーツエイド・ジャパン」が主催する「本州縦断・青森~下関1521kmフットレース」に挑み、完走を果たした八王子市内在住の高木薫さんによる報告会が行われる。
4月1日~10月31日の期間中、青森県・青森駅を出発し国道7号・8号・9号線をたどって山口県・下関駅までの1521キロを走破する同レース。青森~新潟間の430キロを216時間、新潟~舞鶴間の521キロを240時間、舞鶴~下関間の572キロを264時間以内に走り、併せて720時間(30日)以内にゴールすることが求められている。
72歳でレースに参加した高木さんは5月13日に青森駅をスタート。途中に設定されている34カ所のチェックポイントを通り、6月9日に下関駅にゴールした。記録は28日間、663時間5分。同レースとしては15人目の完走者となったほか、これまで65歳だった最高齢完走記録も更新した。
自転車での日本一周や四国八十八ヶ所霊場巡り、スペイン・サンチャゴ巡礼、全長が約9300キロにもなるシベリア鉄道への乗車などさまざまなチャレンジを行い、2010年にはマラソンも始めたという高木さん。国内大会のほか、2015年には米アリゾナ州で行われているセドナマラソンにも参戦。その際には腹痛から緊急腹腔鏡手術を受ける事態になるなど、さまざまな困難と向き合いながらレース生活を続けてきた。
昨年10月には手術を受けた、わずか2週間後に大阪マラソンに参戦。「それが終わった時、次に何をやろうかと思った。たまたま今回のレースを見つけて、年齢的にもこれが限界だろうと思いエントリーした」と振り返る。
今回は夏至にかけて日が長くなる時期であることや天候なども加味して、5月から6月にかけての1カ月間を使い挑んだ。「誰かと一緒にスタートを切るわけではないので、自分自身との競争しかない」と高木さん。
「人間はこれまで自分が経験してきたこととプラスして5割くらいまでしか予測できない。ウルトラマラソンで100キロを走ったことはあったし、富士山一周120キロをウオーキングしたこともあるが、そこまでやっても自分の体力などを想像できるのは200キロまで。天候も体調も2、3日先までしか予測できない。1500キロという膨大な距離のペース配分を推し量るのは大変。実際には八王子からディズニーランドまでの60キロを毎日走らなければならないと分かって、前に行くしかなくなった」とも。
当日はレース中の体験談も交えながら報告会を行う予定。高木さんは「経験者が少ないので、このフットレースがどういうものなのか知らない方も多いのでは」と話し参加を呼び掛ける。
開催時間は15時~。会場は第7学習室。会費は300円。