八王子市内の甲州街道沿いに店を構える商店主の姿を写したサイト「甲州街道八王子 甲州街道とそこに生きる人々」で取り上げられた人数が11月26日、50人を超えた。
大学時代には水中写真を撮影し、プロを目指していたというアマチュア写真家の金沢伸吾さんが手掛ける同プロジェクト。昨年1月に八王子で洋品店「イツミヤ」(八王子市八幡町)を営む中野智行さんを取り上げたのを皮切りに、これまでに51人の店主を紹介。店の入り口と店内のそれぞれで撮られた店主のモノクロ写真に加え、店の簡単な説明も掲載している。
これまで市公園や公園緑地で愛犬の「ころん」を被写体とした作品を撮り続けるなど八王子をテーマに活動している金沢さん。「秋田で生まれた後、各地を転々としてきたこともあり故郷というものがない。そこで、八王子と故郷というテーマでやっている。歴史ある甲州街道の商店街を撮れればと思った」と話す。
モノクロの写真にこだわっているのは「モノクロで撮るとその人の素が見えるから」と金沢さん。「色があるとどうしても服装や顔にスポットライトが当たってしまう」とも。仕事が休みの日に直接、店を訪れ店主と交渉し写真を撮らせてもらっているという。
2年ほど写真を撮り続け、「(八王子の商店主は)意気込みと自負を持って店をやっているのだと思う。『こんなお店でこんな人が働いている』ということを残すことで、これからの50年を考えるいいきっかけにもなるのでは」と金沢さん。
「八幡町から始めて駅に近づくにつれて断られることも増えてきたが、あと20軒ほど撮らせていただいて、来年の夏には写真展をやりたい。やるんだったらしっかりとした将来に残せるものを作りたいので、写真集にもしてみたい」と意気込む。