八王子市内を通る国道20号沿いの明神町交差点に2月中旬、「きぬた歯科より目立ちたいけど、歯が立ちません」と書かれた巨大広告が登場した。
地元の不動産業者「エスエストラスト」(八王子市横山町)がブランディング活動の一環で展開する同広告。これまでにも国道16号沿いの大横町交差点に「わたしより、信号を見て」と書かれた看板を出したのを皮切りに、「野猿街道に猿はいるのか」「ラーメンにタマネギのせる店、だいたい八王子」「100円ラーメンは、みんなの心の中にある(涙)」「西豊田駅ってどうなるのかな」「TOYOTAじゃないよTOYODAだよ」「南平まで約1km。南米まで約17000km」(以上、原文ママ)など地域色を生かしたさまざまな面白広告を設置し話題となった。
28カ所目となった今回は、西八王子駅側の「きぬた歯科」(台町4)とコラボ。きぬた歯科は市内外のさまざまな場所に看板広告を展開していることで知られており、今回は以前からきぬた歯科が看板を設置している上に青字に白抜きの文字でキャッチコピーを大きく書いた広告を出した。
エスエストラスト広報担当の前田友香里さんによると、管理物件のオーナーと、きぬた歯科のきぬた泰和院長が知り合いだったことがきっかけ。「看板の場所の空きが出た際にきぬた先生から『エスエストラストの看板を付けたらどうか』と提案いただいた」。エスエストラストの杉本浩司社長もコラボを望んでいたことから看板の設置が決まったという。
キャッチコピーはコピーライターの森田哲生さんが手掛けており、「きぬた先生から『きぬた歯科をからめたコピーがいいのでは』と提案いただいて決めた」と前田さん。
きぬたさんは「栃木出身だが縁あって八王子で歯科医院を開業している。この街で身を立て、この街で家族もできた。言うなれば、八王子はある意味、自分の故郷。大げさかもしれないが人生そのものだと感じている。そんな中、知人を通して杉本社長と出会った。2人の会話の中で、ささやかながら八王子を盛り上げたい、ほんのちょっとでもいいので、笑いが感じられ、ひいては活性化できたら最高だよねという話になった」と振り返る。
「他県から移り住んでいる私でもとても住みやすい、懐が深い八王子で何か自分にできることをと考えた時に、かつてメディアでも取り上げられた看板でコラボしたいと考えた。幸いエスエストラストも個性的な看板を立てていらっしゃる。地元出身の杉本社長と他県から来た私とのコラボだが、目的は同じ八王子の活性化。ご覧になる皆さまには八王子にも元気な企業があること、遊び心を持った人間もいること、『一緒に八王子を盛り上げようぜ』という、そんな雰囲気を感じ取っていただければ」と期待を込める。
今後も面白看板は増やしていく方針で、「進行中の案件がいくつかあり、1カ月以内に設置する予定」と前田さんは話す。