京王線・京王八王子駅そばのカフェ「Brasserie BASEL(ブラッスリー・バーゼル)」(八王子市明神町3、TEL. 042-648-0824)が9月13日、リニューアルオープンした。
ケーキや焼き菓子の販売のほか、モーニングやランチ、ティータイムといったカフェ、ワインバーなどの側面も持つ同店。6月に創業50周年を迎えた。
今回のリニューアルでは老朽化していた厨房(ちゅうぼう)設備を更新。クラフトビールの提供を始めるなど新たな取り組みも始めた。店を手掛けるバーゼル洋菓子店(高倉町)の渡辺純社長は「最初はカフェの機能しかなかったので、数少ないメニューしか厨房の中で作ることができなかった。今回、フルスペックの厨房に変えたので、いろいろな料理を出せるようになった」と話す。厨房を覆っていた壁を取り払うことで、新たにカウンター席も用意。「お一人のお客さまも多いので、スタッフとお客さまのコミュニケーションも取りやすくなるはず」と期待を込める。
フランスで酒と食事を提供する業態を意味する「ブラッスリー」を2010年から店名に付けている。「日本でフレンチというとハレの日のものとなってしまっているが、気軽にご飯が食べられる本物のブラッスリーを目指したい」と意図を話す。「外見は変わっていないが中身は大きく変わっている。今は40~60代の方々の利用が多いが、若い世代の方にも入っていただけたら」とも。
昭和30年代、スイス・バーゼルで菓子作りを行っていた先代が日本に帰国後、京王八王子駅前にあった雑居ビルの2階に店を構えたのが始まり。「(八王子に店を構えたことに)深い意味はなさそうだが、父親はもともと兵庫県丹波という山里の出身。都会よりも環境の良いところが好きだった。八王子に来てみたら山々があり川も流れて、スイスのバーゼルに似ていると思ったらしい」と渡辺さん。「当時の喫茶店は窓もなく、暗いところで静かにコーヒーを飲むものだった。明るい店を作りたいということで、当時はなかなかない中に光が入る店になった」と振り返る。
大学生の頃から30年にわたって店に携わっている。バブル絶頂期には地上げ屋から立ち退きを求められたこともあったが、「父親は創業地にこだわりがあり、残り続けたいということで数年かけて交渉をして、今のビルに入れていただいた。(別の場所に本拠地を移していたら)今はないと思う。亡き父親の英断だった」。
「社員みんなで作る会社として、50年できたんだから100年後まで存続し続ける会社にしようと頑張っている」とも。今後は郊外型店舗の展開も進めていく方針で、「環境の良い、田舎の方にも出店していければ」と気合を入れる。
営業時間は7時~22時(土曜・日曜・祝日は9時~)。