パソコンの買い取りなどを手掛ける「PCいっとく」(八王子市大和田町)が12月9日、スマートスピーカーと古いアーケードゲーム機を活用して無人接客に対応するシステムを作り、持ち込みによるパソコンなどの無料引き取りサービスを始めた。
「Googleホームミニ」と「Echo Spot」を組み込んだ
古いアーケードゲーム機にパソコンを組み込んだ「パソケード」なども手掛ける「いっとく」が展開する同店。今回は使われなくなったアーケードゲーム機に米グーグルのスマートスピーカー「Googleホームミニ」と米アマゾン・ドット・コムのスマートスピーカー「Echo Spot」を組み込み、自社キャラクターとAIを組み合わせることで「無人応対システム」を作り上げた。
デジタルサイネージやスマートスピーカーの画面には自社キャラクターの「佐藤しげ子」を表示。引き取りサービスの利用方法などについて、画面に加えてAIとの対話でも確認できるようにしたほか、スタッフと直接話ができるようビデオ通話も可能にした。現在は日曜に設置し、使われなくなったパソコンや家電などを回収している。
同社の永野間祐一社長は「声で操作ができるのは面白いと思って、スマートスピーカーを買ったのがきっかけ。最初は家を便利にすることにはまっていたのだが、スマートスピーカーへの情熱をぶつける何かが欲しくて、いろいろと研究していたところ、会社の作業を無人でできるようになるのではないかと思った」と話す。「日曜はアルバイトが休むこともあり人手不足になる。スマートスピーカー用に対話型アプリを作り、画面付きでお客さまに提供したら解決できるのではないかと思いやってみた」とも。
開発には本体に1週間、アプリに1週間ほど時間をかけた。「Googleホームミニ」は対話、「Echo Spot」はビデオ通話と役割を分担させており、ビデオ通話は「Googleホームミニ」が「Echo Spot」に呼び掛け、スマートフォンを呼び出す形で実現。「これで私がどこにいても対応できるようになった」と永野間さん。
設置から2週間がたったが、「声を出して操作することは恥ずかしいのか、画面を見て利用される方が多いかも」。「しげ子の生い立ちや家族がいるかなども組み込んであるので、遊びに使っていただいてもいい」とした上で、企業に向けて、「似たようなシステムが欲しい方がいたら、カスタマイズしてご提供したい」とアピールする。
現在は声で操作するゲームブックの開発も進めているという。「声だけでできる格闘ゲームのようなものも作れたら想像力がかき立てられるかも。スマートスピーカーのアプリを作る人はまだまだ少ないし使っている人も少ない。すぐに仕事につながるかは微妙かもしれないが、他の人がやっていないことをやってみたい」と、スマートスピーカーを活用した新たなサービスの開発にも意欲を見せる。
営業時間は10時~17時。水曜定休。