大学生が八王子の活性化に向けたアイデアを直接、市長へプレゼンテーションする「学生が八王子市長に直接提案!~最終選考会~」が12月8日、八王子市学園都市センター(八王子市旭町)で行われた。
今年で11回目の同イベントは、大学コンソーシアム八王子が日頃の研究成果を発表する機会として設けている「学生発表会」の場で行っているもの。事前審査を経て選ばれた5大学、8件の提案について、石森孝志八王子市長に向けて直接、プレゼンテーションを行った。
会場では市民大学「八王子学園都市大学 いちょう塾」の青山■(やすし)学長(■は人偏に「八」と「月」)など、12人が審査員として参加し各賞を選出。最優秀賞には創価大学安田研究室の「誰もが地域とつながりを持てる社会へ ~人生をずっとこの街『八王子』で~」を選んだ。
社会から取り残される不安を抱えながら、人や社会とつながりたいと考えている「モラトリアムシニア」をターゲットに据え、社会参加を促すために市が運営するサイト「はちコミネット」の改善を提言した。青山さんは「高齢者の生活や生きがいに社会参加が与える影響はよく知られている点。『はちコミネット』についてきちんと評価をし、突っ込んでいき、健康寿命の延伸を狙っているという流れが非常に分かりやすく、プレゼンも資料もきっちりとしていた」と高く評価した。
拓殖大学シビックデザイン研究室の学生は、歩道上に示されている路上喫煙禁止区域の標示が遠目では確認できないことに目を付け、トリックアートを使って示すアイデアを提案。サンプルを掲げたり、実際にどのように見えるかを身ぶり手ぶりで表現したりなど工夫をこらしたプレゼンを行った。審査員からは「トリックアートは非常に目を引くがゆえに安全性の確認が必要」などの意見が上がった。
そのほか、国内外からの観光客に対応するためガイドとして学生のボランティアグループを結成する提案や、オリジナルの木工製品をふるさと納税の返礼品に取り入れてほしいという提案など、それぞれが趣向を凝らしたアイデアを見せた。
石森市長は「地域交通、防災、観光などさまざまな提案を頂いた。いつもながら学生の皆さんの柔軟な発想や斬新さには感心させられるところ。今回は実現性の高い提案が数多くあったので、できる限り皆さんと調整をさせていただきながら、市政に反映できるものは反映していきたい」と話す。